英文誌(2004-)
特別プログラム 消化器
パネルディスカッション27 <診療に活かす> 膵腫瘍の診断に最も有用な画像診断法は?:画像診断の現状とピットフォール
(S292)
膵腫瘍の診断に最も有用な画像診断法は? 3)CT
What is the most useful imaging modality for the diagnosis of pancreatic tumor? 3) CT
蒲田 敏文
Toshifumi GABATA
金沢大学放射線科
Department of Radiology, Kanazawa University
キーワード :
膵腫瘍のスクリーニングには超音波検査とならんでCTがルーチンに施行されることが多い.MDCTの登場により膵CTの画質が向上しているが,早期膵癌の検出や他の膵腫瘤性病変との鑑別には,ヨード造影剤の急速静注による造影ダイナミックCTが不可欠である.また,1mm-3mm厚のthin sliceでの撮影が要求される.一般的には膵癌は動脈相では乏血性であり,平衡相にて遅延性に濃染される.それに対して膵内分泌腫瘍は動脈相で濃染されるので,膵癌との鑑別には早期濃染の有無が重要である.しかしながら,膵内分泌腫瘍でも腫瘍内に線維性間質を伴い,動脈相で乏血性を示す症例も認められる.自己免疫性膵炎も膵全体が腫大する典型例では診断は容易であるが,限局性の腫瘤を形成した場合には膵癌との鑑別に苦慮する場合がある.本講演では当院で行っている膵疾患に対するダイナミックCTの撮影方法の紹介,早期膵癌のCT所見,膵癌と乏血性の内分泌腫瘍や腫瘤形成性膵炎との鑑別点や診断のピットフォールなどについて自験例を呈示しながら紹介したい.