Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

特別プログラム 循環器
パネルディスカッション14 <診療に活かす> 負荷心エコー検査:From A to Z

(S237)

冠動脈血流を評価する負荷エコー

Coronary flow velocity reserve measurement by transthoracic echocardiography

平田 久美子

Kumiko HIRATA

和歌山県立医科大学循環器内科

Cardiiology, Wakayama Meidical University

キーワード :

高周波探触子の使用により,経胸壁心エコー検査による非侵襲的な冠動脈血流速度の計測が可能となっている.また,アデノシン3燐酸負荷により得られる最大冠拡張時の冠血流速度と安静時の冠血流速度の比:冠血流速度予備能(CFVR)は,冠動脈狭窄の指標として知られている.本研究では,主要3冠動脈におけるCFVRの計測を,冠動脈CTと組み合わせることにより,冠動脈狭窄の診断精度が上昇すると仮定し,冠動脈造影の結果と比較検討を行った.対象は,冠動脈疾患が疑われ,冠動脈造影を予定している連続60症例.冠動脈CTとCFVRの測定は冠動脈造影施行前の48時間以内に行った.180冠動脈枝のうち162枝においてCFVRの計測が可能であった.冠動脈造影にける50%以上の径狭窄率を診断する感度,特異度,陽性予測値,陰性予測値は,CFVRでそれぞれ,85,83,70,92%であり,冠動脈CTでは,90,72,59,94%であった.冠動脈CTとCFVRの陽性所見が一致している場合,97%の特異度で冠動脈狭窄の診断が可能であり,共に,陰性所見の場合は,100%の特異度で冠動脈狭窄が否定できた.このように,経胸壁心エコー検査による主要3冠動脈のCFVR測定は,冠動脈CTと組み合わせることにより,さらに臨床的有用性が高まる可能性があると考えられた.