Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2013 - Vol.40

Vol.40 No.Supplement

特別プログラム 循環器
シンポジウム10 <診療に活かす> 心機能評価に活かす新技術

(S221)

3次元スペックルトラッキング法による心室内伝導障害パターン評価

A Novel Approach to Three-Dimensional Mechanical Mapping In Native Conduction Delays and Pacing Using Speckle Tracking Echocardiography

大西 俊成1, GORCSAN John2

Toshinari ONISHI1, John GORCSAN2

1桜橋渡辺病院内科, 2ピッツバーグ大学循環器科

1Cardiovascular Center, Sakurabashi Watanabe Hospital, 2Heart and Vascular Institute, University of Pittsburgh

キーワード :

近年,不整脈の領域では,CARTOTM やEnSiteTMなどの医療機器の出現により心臓の伝播様式を3次元に視覚化することができるようになり,心臓電気回路や自動能の発生部位を同定し,アブレーション治療に応用されている.しかしながら,カテーテルを用いた侵襲的な検査法であるため,容易にできるわけではない.一方,心エコー図の領域では,3次元スペックルトラッキング法により局所壁運動の3次元的な評価ができるようになり,さらに,Activation Imaging法を用いると,左室内収縮興奮開始のタイミングを描出できる可能性を秘めている.心臓再同期療法(CRT)の適応となる心不全患者53症例(左脚ブロック群<LBBB群>31例,右室ペーシング群<RV pacing群>22例)と健常群13例を対象に,心電図QRS形態分類別による伝導障害パターンとActivation Imaging法による左室内収縮興奮パターンの関連を評価すると,再早期部位と再遅延部位の興奮伝播時間(ΔT)は,LBBB群(206±80ms),RV pacing群(190±52ms)と同等であったのに対し(p=NS),健常群(85±23ms)に比べると有意に伸びていた(ともにp<0.0001).CRT植え込み後,翌日に追跡心エコー図をしえた18症例(LBBB群10例,RV pacing群8例)についてΔTはCRT前後で有意に短縮していた(LBBB群196±50→145±32ms, p=0.002,RV pacing群193±29→149±24ms, p=0.001).さらに,LBBB群とRV pacing群では,再遅延部位がともに後側壁に多くみられたのに対し,再早期部位はRV pacing群で心尖部中隔側に集中していた(p=0.001).また,健常群では,心尖部より放射状に興奮伝播を認めた.本シンポジウムでは,心臓の伝播様式を非侵襲的に知る可能性を秘めた3次元スペックルトラッキング法を用いたActivation Imaging法について紹介する.