Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

ポスター
産婦人科:その他

(S566)

周産期有症状患者に対する下肢超音波検査についての検討

Examination about the leg ultrasonography for the perinatal symptomatic patients

椎名 昌美1, 保田 知生2

Masami SHIINA1, Chikao YASUDA2

1近畿大学医学部堺病院産婦人科, 2近畿大学医学部付属病院外科

1Obstetrics&Gynecology, Kinki university faculty of medicine Sakai Hospital, 2Surgery, Kinki University School of Medicine

キーワード :

静脈血栓塞栓症(VTE)が周知されて以来,周産期における血栓予防対策が必要であるが,発症時期・症状は様々で,一様な血栓対策を行うことは困難である.とくに,深部静脈血栓症(DVT)は腫脹,疼痛,浮腫,色調変化,Homans徴候等の症状を認める疾患で,周産期に発症する可能性が高い.分娩終了後に腫脹,浮腫が遷延し,DVTの診断を受けた中に,血栓の形成時期から時間経過の考えられる症例もある.これらを考えると,妊娠中の下肢有症状患者の中に,DVTを合併している症例が含まれる可能性が考えられる.また,下肢静脈瘤は分娩終了に伴い軽快することが多いため,妊娠管理においては特に治療対策を行うことなく経過する.しかし,妊娠期間中はその経過とともに症状が悪化することから,患者からの訴えは多い.いずれの疾患も妊娠中の発生頻度は明らかではない.そこで,一開業施設における下肢有症状患者に対し,下肢症状の発生状況を調査し,周産期予防対策を行うべく,血栓外来にて検査診断を行った.対象はH21.5.〜H22.12.の20か月間の妊婦健診受診者のうち,下肢症状を有した症例で,症例数は90症例(H21.37症例,H22. 53症例)であった.平均年齢は32.9歳(19-42歳)で初産婦50症例,経産婦40症例であった.対象となった症状は浮腫,静脈瘤,疼痛等で,浮腫が約半数を占め,次に静脈瘤が高率に認められた.初回受診時期は妊娠後期で半数以上が受診しており,超音波検査結果では静脈瘤が最も多く認められた.これらの結果をふまえ,周産期における下肢有症状患者の現状,管理方法について検討を行ないたい.