Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

ポスター
消化器:消化管・脾臓

(S552)

超音波検査にて診断された食餌性腸閉塞の1例

Ultrasound diagnosis of intestinal obstruction caused by food material : A case report

上田 真1, 佐次田 保徳2

Makoto UEDA1, Yasunori SASHIDA2

1沖縄県立中部病院外科, 2沖縄県立中部病院形成外科

1Department of Surgery, Okinawa Chubu hospital, 2Department of Plastic Surgery, Okinawa Chubu hospital

キーワード :

【はじめに】
食餌性腸閉塞は食餌性イレウスとも呼ばれ食物により腸閉塞を起こすものである.今回超音波検査により診断された食餌性腸閉塞の1例を経験したので報告する.
【症例】
50代男性
【既往歴】
尿管結石,手術暦なし.
【現病歴】
H23年8月昼食に物汁,シイタケ,コンニャクを噛まずに丸呑みした.夕食も食べた.その後間欠的腹痛,嘔吐出現し当院救命救急センター受診した.身体所見では腹部膨隆,腸雑音低下,腹部圧痛あり,筋性防御・反挑痛なし.
【腹部単純写真】
Kerckringを伴う小腸ガス像あり,大腸ガス乏しく小腸閉塞と診断.
【腹部超音波検査】
小腸が全体に拡張,腸管蠕動あり.小腸内腔にコンニャクと思われる四角形の物体が浮遊するのが観察された.
【腹部CT】
エコーと同様に小腸が拡張し,内腔にかなり低濃度の食物塊が認められた.
【経過】
食餌性腸閉塞で単純腸閉塞と診断した.径鼻胃管留置後より腹痛軽快した.翌日に排便があり改善した.
【考察】
食餌性腸閉塞は腸閉塞全体の0.3〜3%と報告されている.原因となる食物にはコンニャク,昆布・わかめ,シイタケ等が多い.背景には手術の既往などの器質的変化を伴うものが多いとされている.以上,文献的考察を行う.