Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

ポスター
循環器:症例4

(S535)

カテーテル治療を行った多孔性心房中隔欠損症の2例

Two cases of Transcatheter Closure of Multiple Atrial Septal Defects with Three Amplatzer Septal Occluder Devices

大澤 晋1, 赤木 禎治2, 木島 康文3, 中川 晃志3, 草野 研吾3, 伊藤 浩1, 3, 佐野 俊二1

Susumu OOZAWA1, Teiji AKAGI2, Yasufumi KIJIMA3, Kouji NAKAGAWA3, Kengo KUSANO3, Hiroshi ITOU1, 3, Shunji SANO1

1岡山大学病院心臓血管外科, 2岡山大学病院循環器疾患治療部, 3岡山大学病院循環器内科

1Cardiovascular Surgery, Okayama University Hospital, 2Cardiac Intensive Care Unit, Okayama University Hospital, 3Cardiology, Okayama University Hospital

キーワード :

近年,心房中隔欠損症(以下ASD)に対する経皮的カテーテル閉鎖術が可能になってきたが,多孔性心房中隔欠損症(以下multiple ASDs)の治療は容易ではなかった.今回われわれはmultiple ASDsに対しカテーテル閉鎖術を行った症例を2例経験したので報告する.症例1は84歳女性で,労作時呼吸困難感が増悪し,近医で心臓超音波検査を受けたところASDの診断を受けた.術前の冠動脈造影にて,左冠動脈に有意狭窄病変を認め,経皮的冠動脈形成術を施行したが症状の改善は得られなかった.血行動態上Qp/Qs 4.1で,経食道心エコーでは,ASD1 (superio-anterior) 17mm,ASD2 (superio-posterior) 11mm,ASD3 (infero-anterior) 21mmと3個の独立した欠損孔を認めた.これらASDsに対しそれぞれ,18mm,16mm,24mmのAmplatzerデバイスを使用し完全閉鎖に成功した.術後は自覚症状も著明に改善し,BNPも1008pg/mlから466pg/mlに低下した.症例2は45歳女性で,2年前からの労作時息切れを主訴に近医受診,ASDの診断にて当科紹介となった.Qp/Qs 2.8で,経食道心エコーではASD① (superio-anterior) 10.5×12.5mm,ASD② (infero-anterior) 9.5mm,ASD③ (inferor side) 4mm,ASD④(posterior side) 6mmと4個の欠損孔を認めた.このうちASD①に17mm,ASD②に9mm,ASD④に10mmのデバイスを使用し閉鎖術を施行した.デバイス留置のための治療戦略には経食道エコーによる3Dエコー画像が極めて有用であったので,その知見を報告する.