Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

ポスター
基礎:基礎

(S513)

プローブ保持ロボットを用いたWave Intensity計測精度の評価

Reproducibility of the Wave Intensity Measurement by the Probe Holding Robot

中楯 龍1, サフワン アマル2, 高西 淳夫3, 菅原 基晃4, 仁木 清美5, 岡田 孝6

Ryu NAKADATE1, Ammar SAFWAN2, Atsuo TAKANISHI3, Motoaki SUGAWARA4, Kiyomi NIKI5, Takashi OKADA6

1早稲田大学大学院先進理工学研究科, 2早稲田大学創造理工学部, 3早稲田大学理工学術院,ヒューマノイド研究所, 4姫路獨協大学医療保健学部, 5東京都市大学生体医工学科, 6日立アロカメディカル株式会社第1メディカルシステム技術本部

1Graduate School of Advanced Science and Engineering, Waseda University, 2School of Creative Science and Engineering, Waseda University, 3Faculty of Science and Engineering, Humanoid Robotics Institute, Waseda University, 4Department of Medical Engineering, Himeji Dokkyo University, 5Biomedical Engineering Department, Tokyo City University, 6Medical Systems Engineering Division 1, Hitachi Aloka Medical, Ltd.

キーワード :

【目的】
Wave Intensity(WI) [1]の計測は,頸動脈の長軸断面において血管径と血流速を連続10〜20秒間,超音波で計測することにより行われるが,その間にプローブを持つ手や患者が動くと誤差が乗り,計測不成立となる場合があるため,慣れが必要である.この計測を容易にするために,筆者らは微小な位置決めが可能なプローブ保持ロボットを開発してきた[2].本ロボットを用いたWIの計測精度検証試験を行い,フリーハンドによる計測精度との比較を行ったので報告する.
【方法】
Fig.1にロボットの外観を示す.マニピュレータは自重補償されたアーム先端に取り付けられており,アームの固定・非固定を切り替えて患者頸部まで持ってゆくことが可能である.ジョイスティック型コントローラによってプローブの位置3軸,姿勢3軸の微小な調整が可能である.このロボットを用い,医師1名が健常男性被験者計22名(43.5歳±SD12.5)に対して,臨床検査技師2名が同被験者群中6名に対してWIの計測を行った.計測は1被験者に対しロボット,フリーハンドそれぞれ連続3回行い,その順番は被験者毎に入れ替えた.3回の計測値の変動係数(標準偏差÷平均)を計測ばらつきの指標として求めた.検査者のうち1名はWI計測の熟練者,2名は非熟練者である.
【結果】
WIの主要指標であるW1,W2,NAの3値について,変動係数をFig.2に示す.有意差を確認するに至らなかったが,全般的にフリーハンド計測よりもロボット計測の方が小さい傾向が見られた.また,その度合いは熟練者よりも非熟練において顕著であった.
【考察・まとめ】
非熟練者がフリーハンドでWI計測すると誤差が大きいが,ロボットを用いることで熟練者の計測精度に近い結果を出せることが示唆された.実際にプローブを持ちながら,もう片方の手でコンソールパネルを操作するのは難しく,多数の計測を連続で行うとミスが発生し易い.プローブの位置を固定することに加え,片手が解放されることもロボットのメリットである.また,特に検査後の疲労感がロボットにより大幅に緩和されるとの意見が全ての検査者に共通した.
【参考文献】
[1]M. Sugawara et al.: Med Biol Eng Comput 47(2009), 197-206
[2]松永他:第28回日本ロボット学会学術講演会(2010), 3K1-7