Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

一般口演
循環器:右心機能

(S389)

健常人における右室拡張能の男女差の検討

Gender difference in right ventricular diastolic function in normal subjects

大塚 健紀

Takenori OTSUKA

東邦大学医療センター大橋病院循環器内科

Cardiovascular Medicine, Division of Cardiovascular Medicine Toho University Ohashi Medical Center

キーワード :

【背景】
我々は,以前に加齢が拡張早期三尖弁輪部運動速度や右室流入波形に及ぼす影響を検討してきた.しかし健常人における右室拡張能の男女差は十分に検討されていない.
【目的】
器質的心疾患を認めない健常例を対象に右室拡張能が男女別に異なるかを年代ごとに検討すること
【方法】
対象は20-89歳までの健常例409例(男性174例,女性235例).三尖弁流入血流速波形から急速流入期速度(E)と心房収縮期速度(A),及びその比であるE/Aを求め,更に組織ドプラ法により拡張早期三尖弁輪部運動速度(TEa)を計測し年代ごとに検討した.
【結果】
E波は加齢により低下した(20s: 59.4±11.0 30s: 53.0±12.3 40s: 50.7±9.6 50s: 48.2±9.6 60s: 41.5±9.5 70s: 40.5±9.9 80s: 39.6±9.1 p<0.0001).しかしE波は全ての年代において男女間に有意差はみられなかった.A波は加齢により上昇した(20s: 59.4±11.0 30s: 53.0±12.3 40s: 50.7±9.6 50s: 48.2±9.6 60s: 41.5±9.5 70s: 40.5±9.9 80s: 39.6±9.1 p<0.0001).しかしA波も全ての年代において男女間に有意差はみられなかった.E/Aは加齢により低下した(20s: 2.3±0.5 30s: 2.0±0.5 40s: 1.8±0.7 50s: 1.5±0.4 60s: 1.2±0.3 70s: 1.1±0.3 80s: 0.9±0.3 p<0.0001).しかしE/Aも全ての年代において男女間に有意差はみられなかった.TEaは加齢により低下した(20s: 13.6±3.4 30s: 13.1±2.9 40s: 11.3±3.5 50s: 9.8±2.6 60s: 8.4±2.2 70s: 7.5±2.0 80s: 7.1±2.4 p<0.0001).しかしTEaも全ての年代において男女間に有意差は見られなかった.(Figure)
【結論】
健常例において右室拡張機能は,加齢による影響をうける.しかし右室拡張能は各年代において男女間に有意差はみられなかった.