Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

一般口演
基礎:イメージングⅠ

(S337)

Volume Data Matchingに関する検討

Development of Volume Data Matching software

橋本 浩, 小笠原 正文

Hiroshi HASHIMOTO, Masafumi OGASAWARA

GEヘルスケア・ジャパン株式会社超音波研究開発部

Ultrasound Research and Development, GE Healthcare Japan Corporation

キーワード :

【目的】
腫瘍の経過観察,治療効果判定には,多断面での比較が必要である.また必要に応じて,造影検査が行われる.しかし,異なる日時に,全く同じ部位を同じようにスキャンすることは非常に難しいため,腫瘍の拡大縮小,変形や治療後のSafety Marginの確認は,腫瘍や治療部位の最大割面で行われることが多い.今回,取得した2つのボリュームデータに対して,各ピクセルの輝度情報を用いて位置合わせを行うアプリケーションを開発し,評価を行ったので報告する.
【方法】
弊社のメカニカルプローブ,もしくは,磁気センサ付きプローブによって取得された2つの3Dボリュームデータを外部PCに転送し,今回開発したソフトウェアを用いて,位置合わせを行った.処理は,相関値が高くなるような回転・移動量を探索する方法を用い,高速化のため,初めに低解像度同士で行い,段階的に解像度を上げて計算した.しかし,Low MIでスキャンを行う造影検査画像の場合は,ランドマークが少なくなり,位置合わせが困難となることが多かった.そこで,3Dデータを作成する際に,Referenceとして表示しているBモード画像も別Segmentとして再構成しておき,このデータを位置探索に使用する方法を提案した.Bモードデータで探索した情報を元に造影データを回転・移動することによって,輝度情報の少ない造影早期のボリュームデータでも位置合わせ処理の精度を向上させることができた.
【結果】
今回は,計算を簡単にするために,できるだけ同じ方向からスキャンしたデータに限定して評価した.その結果,Bモード ボリュームデータ同士の位置合わせは,5〜10秒で,ほぼ自動的に完了し,両者の比較表示を行うことができた.位置合わせが不十分な場合には,ユーザーが任意に調整することが可能で,ランドマークと思われる点を指定することにより補正を行う機能も搭載した.また,造影データに関しては,ReferenceのBモード データを位置探索計算に用いることで,造影時相にかかわらず,2つのボリュームデータを位置合わせし,比較のために任意の断面を表示することが可能になった.
【結論】
造影時のボリュームデータに関しても位置合わせが行えるVolume Data Matchingソフトウェアを開発した.さらに精度を向上し,装置搭載に向けて検討を進め,臨床的有用性についての評価を進めたい.
【参考文献】
[1]廣井喜一 他:日超医第80回学術集会論文集,Vol.34, Suppl., pS448, 2007