Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

特別企画 血管
シンポジウム11 「機能診断」としての血管エコーを活かす:他の診断法との比較から

(S220)

Two-dimensional speckle tracking法による大動脈stiffnessの評価:CAVI・AIとの比較

Assessment of Aortic Stiffness by 2-dimensional Speckle Tracking Imaging: Comparisons With CAVI and AI

大石 佳史

Yoshifumi OISHI

国立病院機構 東徳島医療センター循環器内科

Cardiovascular Section, Higashi Tokushima Medical Center

キーワード :

【目的】
CAVI (Cardio Ankle Vascular Index),AI (Augmentation Index)および2-dimensional speckle tracking (2DST) 法により求めた大動脈弾性指標と加齢の関係を検討すること.
【方法】
左室ポンプ機能が正常である50例[平均年齢67±13歳,33-88歳;健常者 (n = 5),心血管危険因子を1つ以上有するpreclinical例 (n = 45)]を対象とした.腹部大動脈(Ao) の短軸像をVivid 7 system (GE)にて記録し,円周方向のpeak strain (Ao-S)をEchoPacにより求め,大動脈弾性指標Ao-S indexを次式にて算出した:Ao-S index = ln (SBP/DBP)/Ao-S.また本指標をCAVI (Fukuda Denshi, VaSera VS1000)およびradial AI (OMRON, HEM-9000AI)と比較対比した.
【結果】
Ao-S index (r = 0.54, p < 0.0001) およびCAVI (r = 0.57, p < 0.0001)は年齢との間に有意な正相関を認めたが,AIと年齢の間には有意な相関はみられなかった.またAo-S index とCAVIには有意な正相関 (r = 0.45 p < 0.01) がみられたが,AIとは有意な相関が得られなかった.
【考察】
2DST法により求めた大動脈弾性指標は,脈波伝搬速度から算出したCAVIとは関連を有するものの,血圧波の駆出・反射成分を基にしたAIとの関連はみられず,中高年以降の大動脈stiffnessの評価に対しては計測が簡便である2DST法が有用であると考えられた.