Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2012 - Vol.39

Vol.39 No.Supplement

特別企画 領域横断
ワークショップ13 ボリュームデータとしての超音波診断と治療ナビゲーション

(S164)

経皮的ドレナージ術におけるV-Navigation Systemの有用性

Effectiveness of Ultrasonography with Volumn Navigation system guided percutaneous catheter drainage of infected fluid collections.

町田 卓郎, 目黒 高志, 堀田 彰一

Takuro MACHIDA, Takashi MEGURO, Shoichi HORITA

北海道消化器科病院内科

internal medicine, Hokkaido gastroenterology hospital

キーワード :

【目的】
腹部IVR領域において,超音波検査(US)は必須のモダリティーであり,経皮的治療において,USガイドでの治療が一般的となっている.しかし,他のmodalityで描出されるにも関わらず,USにて描出が難しく,処置に難渋する病変も存在する.この原因として,消化管,肺など標的病変以外の臓器との関連や,術者の技量にも左右される.つまり,USに客観性が欠けるのが一番の問題点であると考えられる.USにて描出不良な場合,CTガイドを用いるなどすることが多いが,患者・術者の被爆,手技の煩雑さ,検査時間・場所の確保など様々な問題がある.2008年11月GE社より,任意の超音波画像とほぼ同一断面で,CT,MRIなど他のmodalityの画像をリアルタイムにreferenceできるVolume Navigation System(V-Navi)を搭載した超音波診断装置LOGIQ E-9が開発された.今回,我々は,V-Naviを併用した経皮的ドレナージ術を施行した12例について検討したので,若干の文献的考察を含めて報告する.
【方法】
当院では2010年9月より,V-Naviを搭載した超音波診断装置LOGIQ E9を導入した.2010年9月から2011年10月までに当院にてV-Naviを使用し経皮的ドレナージを施行した12症例(術後腹腔内膿瘍7例,肝膿瘍1例,十二指腸潰瘍穿孔1例,虫垂炎2例,憩室炎1例)について,その有用性を検討した.
【結果】
V-Naviは従来の機器と比べ,非常に位置あわせが簡便であった.また,V-Naviを併用した12症例全例で安全にドレナージチューブを留置することが可能であった.
【考察】
B-modeにて描出不良な病変に対してV-Naviを併用することで病変を認識しやすく,安全に治療することが可能であった.また他のmodalityの画像を同時にreferenceすることで,周囲の臓器,血管情報が把握しやすくなり,安全に治療が可能であった.V-NaviはIVR治療において,有用なmodalityであると考えられた.