Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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cover

2011 - Vol.38

Vol.38 No.Supplement

ポスター
体表・表在:症例報告

(S538)

超音波検査で発見された極小乳癌の一例

A case of minimum breast cancer detected by ultrasonography

中谷 守一

Shuichi NAKATANI

南大阪病院外科

Surgery, Minami Osaka General Hospital

キーワード :

平成22(2010)年8月近医でMG検診を受け,右要精査として当科を9月受診.視触診では異常なくMGでは不均一高濃度乳腺かつ(1,1)であった.USでは左乳房外側上部に約3mm径の腫瘤像を認め,内部に血流を多く認めた.ABC施行(日立MEDICO社製のMUPIEを使用.細胞採取は容易でかつ細胞診 陽性(Ⅳ)adenocarcinoma, well differentiated との診断をえた.喘息治療中であり,造影MRIや造影CTは施行しえなかった.そこで11月乳癌疑いの診断下に全身麻酔下にBq+SNBを実施した.病巣が小さくかつ乳腺後方で大胸筋前面に接するように位置するため手術に際して超音波下に切除部のマーキングを行った.さらに皮膚の犠牲をわずかに行いながら局所切除を実施した.切除組織片内に腫瘤を確認することは困難を極めた.最終的に腫瘤切除部をも詳細に検索し腫瘤像は認められず遺残はないと判断するにいたった.術後病理検査でも腫瘤の切出しには細心の注意が必要であった.アポクリン癌・断端陰性を確認した.JABTS診断ガイドラインでは乳房超音波検査で5mm未満の腫瘤像については形状不整などの異常がなければ要精査としない方針ではあるが細胞診などで確定診断がつけば手術に向かうことになる.この際には手術における腫瘍局在の確認,さらに病理検査時の切出し,標本量が相対的に少ないために検査による標本消費についてもよく考えておかねばならない.微小乳癌の検出については超音波検査単独でも可能ではあるが,逆にその確認が超音波検査しかないということであり,注意が必要である.