Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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cover

2011 - Vol.38

Vol.38 No.Supplement

ポスター
体表・表在:その他

(S535)

末梢性乳頭腫の超音波診断所見について

Ultrasonic findings for peripheral papillomas

櫻井 健一1, 2, 藤崎 滋2, 柴田 昌彦3, 前田 哲代1, 2, 植田 雄一1, 2, 原 由起子1, 2, 長島 沙樹1, 久保井 洋一1, 2, 榎本 克久1, 天野 定雄1

Kenichi SAKURAI1, 2, Shigeru FUJISAKI2, Masahiko SHIBATA3, Tetsuyo MAEDA1, 2, Yuichi UEDA1, 2, Yukiko HARA1, 2, Saki NAGASHIMA1, Youichi KUBOI1, 2, Katsuhisa ENOMOTO1, Sadao AMANO1

1日本大学医学部外科学系乳腺内分泌外科分野, 2医療法人社団藤崎病院外科, 3福島県立医科大学医学部生体腫瘍治療学講座

1Breast and Endocrine Surgery, Nihon University School of Medicine, 2Surgery, Fujisaki Hospital, 3Oncology, Fukushima University

キーワード :

乳管内乳頭腫は閉経前の若い女性に好発し,主症状として乳頭異常分泌を呈し,腫瘤として触知されることは少ないとされている.乳管内乳頭腫は乳頭近くの主乳管に発生することが多く,主乳管に発生するものは孤立性で単発の良性腫瘍が多いとされる.これに対して末梢乳管に発生するものは多発性が多いとされ,末梢性乳頭腫の34%に微小な乳管癌が認められたという報告や,異型性の強い乳頭腫を切除した後の癌発生リスクは4倍であるといった報告も存在する.よって末梢性乳頭腫は癌と併存している可能性を念頭においた診断・治療を考慮しなければならないとされている.われわれは悪性と鑑別に苦慮した末梢性乳頭腫の12症例を経験したので,報告する.12症例ともに超音波所見では,辺縁粗雑,内部不均一なlow echoic massとして描出された.いずれも充実性パターンであり,内部に高輝度点状エコーを伴うものを3例に認めた.混合性パターンのものは認めなかった.前方境界線の断裂を認めたものは3例.境界線の断裂を認めたものが2例であった.いずれの症例もマンモグラフィ検査でCategory III以上を示し,造影MRI検査でも良悪性の鑑別は困難であった.すべての症例で針生検または手術がおこなわれ,末梢性乳頭腫の診断を得た.文献的な考察を加えて,質的診断について検討を行い報告する.