Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2011 - Vol.38

Vol.38 No.Supplement

ポスター
体表・表在:その他

(S534)

乳癌超音波像における病理マーカとの検討

Examination of Pathology marker in UMG

岩崎 亘1, 木曾 末厘乃2, 四元 文明2

Wataru IWASAKI1, Marina KISO2, Fumiaki YOTSUMOTO2

1滋賀県立成人病センター臨床検査部, 2滋賀県立成人病センター外科

1Clinical Labratory, Shiga Medical Center for Adult, 2Surgery, Shiga Medical Center for Adult

キーワード :

【目的】
日常検査での乳癌の超音波像においてその進展,浸潤性をコメントする事は重要である.そこで乳癌の超音波像と病理マーカを比較することで超音波像の特徴を見いだせるかの検討を行った.
【対象】
2009年7月から2010年12月の期間に当院で乳房切除を施行し,病理診断がなされた症例についてHer2および Ki-67を中心にその超音波像について検討を行った.
【方法】
浸潤性乳管癌を対象に超音波像はBモード像と血流動態を検討対象とし病理マーカについてはその症例に対して実施された組織免疫染色によるマーカの値を比較した.Ki-67に関しては15%を暫定カットオフとして扱った.また超音波像での血流動態に関しては描出可能であった症例について検討を加えた.超音波診断に用いた機器はLOGIQ500である.
【結果】
Her2のスコアが高いものは内部エコーが極めて低く,乳管内進展を認める症例が多かった.Ki-67のスコアが高い症例では血流シグナルの検出が可能であり,病理診断と比較して乳管内進展を認める領域にもシグナルが認められた.また,Ki-67が高値の症例で再発症例もみられた.
【結論】
乳癌において温存切除術を実施する際に進展範囲を画像診断で見極める事は非常に重要な判断となる.今回の検討において超音波像で明らかな進展を認めた症例についてはその増殖能も考慮しながら検査を進めるひ事が重要であると思われた.血流動態についても症例によっては,その増殖性を示唆できる手がかりになると思われた.