Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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cover

2011 - Vol.38

Vol.38 No.Supplement

ポスター
消化器:症例報告2 消化管・その他

(S504)

難治性腹水の経過中に出現した右側胸水の診断に腹腔内造影超音波が有用であった1例

A case of right side pleural effusion with an untreatable ascites in which Sonazoid-enhanced ultrasonography was useful

秋間 崇1, 大木 了1, 小嶋 和夫1, 前田 知津1, 中元 明宏1, 橋本 敬1, 平石 秀幸1, 玉野 正也2

Takashi AKIMA1, Ryo OKI1, Kazuo KOJIMA1, Chizu MAEDA1, Akihiro NAKAMOTO1, Takashi HASHIOMOTO1, Hideyuki HIRAISHI1, Masaya TAMANO2

1獨協医科大学消化器内科, 2獨協医科大学越谷病院消化器内科

1Department of Gastroenterology, Dokkyo Medical University, 2Department of Gastroenterology, Dokkyo Medical University Koshigaya Hospital

キーワード :

【目的】
右側胸水の診断に腹腔内造影超音波が有用であった1例を経験したので報告する.
【対象】
症例は85歳,女性.2009年10月から腹水を認め,近医にて加療を続けるも改善なく,2010年3月,精査目的に当科へ入院した.腹水は漏出性であり,造影CTにて門脈血栓症を認めたため,血栓による門脈圧亢進が難知性腹水の原因と診断した.利尿剤で治療を開始したが入院翌日に突然の呼吸苦が出現した.胸部X線では,入院時には認められなかった大量の右側胸水を認め,腹水による腹圧上昇によって横隔膜が破綻し,腹水が胸腔内へ移動したものと推測した.
【方法】
腹腔内造影超音波を施行したところ,腹腔内に注入したSonazoidの胸腔への流入を認めた.我々は,肝性胸水の診断における腹腔内造影超音波の有用性を報告してきた (J Gastroenterol Hepatol 25;283-286:2009).
【結論】
本症例の胸水貯留の機序は肝性胸水と同様であるが本症例は肝硬変ではなく,興味深い症例と考え報告する.