Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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cover

2011 - Vol.38

Vol.38 No.Supplement

ポスター
血管:新しい応用

(S497)

ソナゾイドによる足部皮下微小循環の映像化

Imaging of foot subcutaneous microcirculation by Sonazoid

菊地 実1, 中山 秀隆2, 萬田 直紀2, 秋葉 聡3, 長嶋 裕美3

Minoru KIKUCHI1, Hidetaka NAKAYAMA2, Naoki MANDA2, Satoshi AKIBA3, Hiromi NAGASHIMA3

1萬田記念病院放射線科, 2萬田記念病院糖尿病センター, 3GEヘルスケア・ジャパン株式会社超音波担当

1Radiology, Manda Memorial Hospital, 2Diabetes Center, Manda Memorial Hospital, 3Ultrasound System Group, GE Healthcare Japan Corporation

キーワード :

【目的】
下肢動脈超音波検査はB-mode,カラードプラ法,パルスドプラ法を駆使して血管形態および血行動態の観察を行うが,末梢側の観察は足背弓状動脈か第1足趾動脈レベルが描出の限界である.そのため,末梢動脈疾患(PAD)で問題となる重傷下肢虚血(以下CLI)の診断は,足関節上腕血圧比(以下ABI),足趾収縮期血圧,あるいは経皮的酸素分圧(以下tcPO2)で確定することをTASCⅡ(下肢閉塞性動脈硬化症の診断・治療指針Ⅱ)では推奨しており,超音波検査は対象となっていない.しかし,末梢の微小循環を超音波検査で描出できれば,断層像として血行動態をリアルタイムに目視で観察できるため,ABIやtcPO2のような数値データと視点が異なる評価が可能でありCLIの診断には有用であると考えられる.そこでソナゾイドによる造影超音波法で皮下微小循環の映像化が可能か基礎的実験を行った.
【方法】
造影超音波法でソナゾイドが足部末梢の皮下組織で確認できるか,健常人ボランティアにて実験を行った.ソナゾイド1mlを上肢皮静脈より注入し,経時的な染影効果の観察を行った.
【使用機器】
超音波診断装置はGE製LOGIQ E9,探触子はML6-15-D (5.0〜15.0MHzリニア型)を使用した.
【結果】
カラードプラ法では描出できない最小血管の描出や毛細血管と思われる血管内,足部末梢の皮下組織にソナゾイドを確認することができ経時的染影効果を認めた.(Fig.1)
【結語】
ソナゾイドによる微小循環レベルの観察は,CLIの診断,治療効果の判定など詳細な血行動態の評価,診断を造影超音波検査で行なえる可能性があると思われた.