田中 恵美子¹, 小倉 文子¹, 竹内 淑恵¹, 伊藤 隆英², 川西 泰徳², 寺崎 文生², 石坂 信和²

Emiko TANAKA¹, Fumiko OGURA¹, Yoshie TAKEUCHI¹, Takahide ITO², Yasunori KAWANISHI², Fumio TERASAKI², Nobukazu ISHIZAKA²

¹大阪医科大学附属病院中央検査部生理検査室, ²大阪医科大学附属病院内科学Ⅲ

¹Clinical Laboratory, Osaka Medical College, ²Third Department Of Internal medicen, Osaka Medical College

キーワード :

【目的】
ヘキサゴン解析に基づくディスシンクロニー指標（net-delay magnitude）が，心臓再同期療法（CRT）後の心機能改善予測に有用か否かを検討すること．
【方法】
対象はCRTを施行した重症心不全患者21名（65±9歳，左室駆出率26±9%）．ヘキサゴン解析（Figure 1）：左室長軸3断面から組織ドプラ法を用い，基部6区画において計測したtime-to-peak velocityをベクトルとみなし放射状に配列，6つのベクトルを統合したものをnet-delay magnitude（ms）としている．CRT施行後6ヶ月の時点で，左室駆出率が8%以上増加もしくはNYHA心機能分類が1ランク以上増加した患者をリスポンダーとした．
【結果】
リスポンダーは16名であった．ROC curveによると（Figure 2），net-delay magnitude=90 msが最良のカットオフポイントであり，リスポンダーを予測するための感度は81%，特異度は60%であることが示された．
【結論】
ヘキサゴン解析はCRTのリスポンダー予測に有用である可能性が示唆された．今後はさらに症例を蓄積し検討する必要がある．