Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2011 - Vol.38

Vol.38 No.Supplement

ポスター
基礎:基礎2

(S465)

フレーム間ブロックマッチングを用いたプローブ保持ロボットによる3D自動追従

3D motion tracking by the inter-frame block matching method using a probe holding robot

中楯 龍1, Jorge Solis2, 菅原 基晃3, 仁木 清美4, 小川 宏治5, 高西 淳夫2

Ryu NAKADATE1, Jorge SOLIS2, Motoaki SUGAWARA3, Kiyomi NIKI4, Kouji OGAWA5, Atsuo TAKANISHI2

1早稲田大学大学院先進理工学研究科, 2早稲田大学理工学術院,ヒューマノイド研究所, 3姫路獨協大学医療保健学部, 4東京都市大学工学部, 5アロカ株式会社研究所

1Graduate School of Advanced Science and Engineering, Waseda University, 2Faculty of Science and Engineering, Humanoid Robotics Institute, Waseda University, 3Department of Medical Engineering, Himeji Dokkyo University, 4Department of Biomedical Engineering, Tokyo City University, 5Research Laboratory, ALOKA Co., Ltd.

キーワード :

【目的】
長時間にわたり同一断面を観察する際,プローブを素手で保持すると検査者の腕の動きによるずれが生じ,またプローブを保持する固定具は患者の動きによるずれに対応できない.そこでプローブ保持ロボット[1]にBモード画像をフィードバックし,患者の動きにプローブを追従させるアルゴリズムを試作した.本研究では一般的な1次元配列プローブを用い,並進回転各3軸の計6軸の追従を目標とした.
【方法】
1次元配列プローブで得られる画像は断面画像であるため,断面に平行な方向(並進x,y軸)の移動量は,目標断面画像と現在プローブが得ている画像(現画像)間の比較により検知可能であるが,法線方向(並進z軸)への移動量が検知できない.そこで,目標断面を中心とする微小範囲をロボットによりあらかじめスキャンし,一定間隔L で平行な断層画像をN フレーム分記録しておく.追従開始後は,現画像と記録済みの全画像間にてブロックマッチングを行うことで,最も一致するフレーム番号をkとすると,並進z軸のスキャン領域中心からの移動量は(N/2-k)Lと求まる.図1 に概要を示す.現画像内のテンプレートサイズに対し,記録済み画像内の探索領域を若干大きく設定することで,並進x,y軸の移動量が求まる.回転3軸の動きについては,ブロックを上下左右に設け(図2),それぞれのブロックで並進3軸の移動量を求め,上下または左右のブロックの各並進移動量の差から検出する.
【結果】
N=20,L=0.4mmとし,前腕部に対する追従実験を行った.肘と手首を金属棒にしっかりと固定し,金属棒を6軸について約一分間往復させたところ,追従動作を確認した.金属棒に固定しない場合は6軸の追従は不可能であったが,1軸(並進z軸)のみの追従は可能であった.
【結論】
ブロックマッチングを用いたロボットによる自動追従動作を実現した.追従自由度を増すと軸間干渉により安定性が悪化するが,組織変形の無い条件下では6軸の追従は可能であった.適用分野として血管長軸断面を長時間観察するWave Intensity[2]やFMD計測,造影超音波などが考えられる.
【参考文献】
[1]松永 他:日本ロボット学会学術講演会予稿集(2010), 3K1-7
[2]M. Sugawara et al.: Med. Biol. Eng. Comput. 47(2008), 197-206