Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2011 - Vol.38

Vol.38 No.Supplement

ポスター
基礎:基礎1

(S463)

超音波診断装置おける身体負担の基礎検討

A STUDY OF PHYSICAL STRESS FOR DIAGNOSTIC ULTRASOUND SYSTEM

鈴木 浩之1, 齋藤 隆由1, 下村 義弘2, 勝浦 哲夫2

Hiroyuki SUZUKI1, Takayoshi SAITO1, Yoshihiro SHIMOMURA2, Tetsuo KATSUURA2

1アロカ株式会社デザインセンター, 2千葉大学大学院工学研究科

1Design Center, ALOKA CO.,LTD, 2Graduate school of engineering, Chiba university

キーワード :

【背景】
超音波診断は,検査者に対して負担の大きい不自然な姿勢となりやすい作業である.実際,欧米では,検査者に筋骨格系障害が発生しているとの報告がある.[1]
本問題について,(社)日本超音波医学会は,近年の学術集会で「超音波診断装置の人間工学的デザイン」をパネルディスカッションとして取り上げている.[2][3]
そこで,我々は身体負担の少ない超音波診断装置の研究を行っている.
今回,操作パネルを移動させた時の身体負担を筋電図で評価した.
【方法】
操作パネルが3次元方向に移動可能な実験装置を対象とした.被験者は,男女の社内超音波検査士5名,評価する検査動作(タスク)における検査者の位置は,最も基本的な腹部検査と心臓検査を想定した.
操作パネルの位置は,可動中心より左右前後の9箇所,高さは2条件とした.
タスクは,操作パネルの四隅及びトラックボールをその軌跡がZになるようにタッチし,これを3回繰り返した.
そして,特に関連する6つの筋の筋電図を表面筋電位計で測定した.
測定終了後各筋について最大随意収縮(Maximal voluntary contraction: MVC)時の筋電位(100%MVE)を取得し,その筋電位実効値で,タスク中の筋電位実行値を比率化したものを筋負担[%MVE]とし,これを評価指標とした.
【結果】
腹部検査と心臓検査では,いずれも,操作パネルを身体に近づけた位置の負担が他に比べ少ない傾向を得た.
【まとめ】
操作パネルを移動させた時の身体負担の評価を行い,操作パネルを身体に近づけた位置の負担が少ないことを確認した.これから,身体負担の少ない超音波診断装置は,操作パネルを検査者に近づけることができるように,操作パネルが3次元方向に可動域の広いものが良いと考えられる.
なお,今回の成果を新製品ProSoundF75に盛り込んだ.

文献
[1]THE CAUSES OF MUSCULOSKELETAL INJURY AMONGST SONOGRAPHERS IN THE UK, Society of Radiographers, June 2002
[2]パネルディスカッション超音波診断装置の人間工学的デザイン-超音波ベンダーの各装置の比較検討-,第82回学術集会, 2008
[3]パネルディスカッション超音波診断装置の人間工学的デザイン,第83回学術集会, 2009