Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2011 - Vol.38

Vol.38 No.Supplement

一般口演
体表・表在:体表・組織弾性

(S450)

皮膚癌(特に悪性黒色腫)のリンパ節転移におけるElastgraphyの診断的有用性について

Real-time Tissue Elastography is useful for detecting lymph-node metastases in skin cancer

清原 祥夫1, 中島 美智子2, 緒方 大1

Yoshio KIYOHARA1, Michiko NAKAJIMA2, Dai OGATA1

1静岡がんセンター皮膚科, 2埼玉医科大学総合診療内科

1Dermatology, Shizuoka Cancer Center Hospital, 2Department of Clinical Internal Medicine, Saitama Medical Univercity

キーワード :

皮膚悪性腫瘍の原発巣の診断において,われわれは予てより,CDI/PDIとElastgraphyを併用し,その診断精度を向上させてきた.今回,この診断的手法をリンパ節転移に発展・応用させ,この診断法の有用性を見出した.とくに悪性黒色腫のリンパ節転移はほかの皮膚癌(たとえば有棘細胞癌など)の転移に比べ微小転移が問題となる.すなわち悪性黒色腫ではごく微細な転移が早期のうちに生じてしまうことから治療困難であり,その予後は極めて不良である.今回われわれはリンパ節転移の術前評価として20例の悪性黒色腫患者のリンパ節に対してElastgraphyによる評価を行い,このうち15例のリンパ節に組織学的評価を加えた.その結果,正診率は93%であった.さらにPET-CTやMRIの質的診断よりも正しい診断を得た症例も数多く経験した.悪性黒色腫におけるリンパ節転移の診断にElastgraphyが有用であることが示された.