Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2011 - Vol.38

Vol.38 No.Supplement

一般口演
消化器:肝腫瘍4

(S398)

Kupffer相診断におけるSonazoid再循環と投与量の影響

When the kupffer phase is diagnosed, sonazoid re-circulation influence and the influence of dosage is examined.

赤尾 憲二

Kenji AKAO

東芝メディカルシステムズ(株)兵庫支店

Hyougo, TOSHIBA MEDHICAL SYSTEMS CORPORATION

キーワード :

【目的】
超音波造影剤Sonazoidを用いた造影検査において,Kupffer相は存在診断のみならず,機能診断や腫瘍の悪性診断にも応用されているが,最適な時相の決定には様々なファクターが相互に関連することが想定できる.その中で①再循環による影響②投与量による影響について検討した.
【方法①】
健常人に0.5ml/bodyのSonazoidを静脈注入し,10分,20分,40分後に高音圧ADFモードにて肝臓深部まで崩壊が確認されるまでスキャンする.その後20分後直交する断面を撮影し,目視にて識別判断及び,それぞれのフォーカス点付近の輝度をオフラインにて解析する.
【結果①】
どの時間においても,傷と実質の差は目視にて認識可能であるが,傷部分の輝度は明らかに10(-41.8dB)分が一番高く,20分(-47dB),40分(-57.1dB)となると輝度はかなり低下している.40分では,再影響は著しく少ないと考えられる
【方法②】
健常男性に0.5ml/body,0.2ml/body,0.1ml/bodyのSonazoidを静脈注入し,40分後に方法1と同様の操作にてスキャンする.その直後に同量を再静注し40分後に直交する断面を撮影し,実質部,傷部の輝度を解析する.
【結果②】
実質部の輝度は投与量に比例して上昇している.傷部は再静注による輝度上昇がかんさつされ,0.5ml/bodyの投与量では実質部-13.4dB⇒-14.4dBに変化し,傷部が-26.6dB⇒14.5dBに変化している.以上の結果より実質部の輝度変化は殆どなく,傷の部分もほぼ実質レベルまで上昇していることがわかる.
【結語】
・0.5ml/bodyは,Kufpper相の画像診断に適量の範囲内である.
・正常肝においては,Sonazoid静注後,40分以降では 再循環によるの影響は著しく少ない.