Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2011 - Vol.38

Vol.38 No.Supplement

一般口演
循環器:心機能

(S356)

健常人における右室拡張能指標の加齢による影響

The impact of ageing on right ventricular diastolic function in normal subjects

大塚 健紀

Takenori OTSUKA

せんぽ東京高輪病院内科 循環器

Cardiovascular Medicine, Sempo Tokyo Takanawa Hospital

キーワード :

【背景】
我々は,以前に加齢が拡張早期僧帽弁輪部運動速度や左室流入波形に及ぼす影響を検討してきた.しかし加齢が右室拡張能に及ぼす影響は十分に検討されていない.
【目的】
健常例において加齢による右室拡張能を年齢ごとに超音波法を用いて検討すること.
【方法】
対象は20-89歳までの健常例310例(男性139例,女性171例).三尖弁流入血流速波形から急速流入期速度(E)と心房収縮期速度(A),及びその比であるE/Aを求め,更に組織ドプラ法により拡張早期三尖弁輪部運動速度(TEa)を計測し年代ごとに検討した.
【結果】
E波は加齢により低下した(20s: 59.4±11.0 30s: 53.0±12.3 40s: 50.7±9.6 50s: 48.2±9.6 60s: 41.5±9.5 70s: 40.5±9.9 80s: 39.6±9.1 p<0.0001).A波は加齢により上昇した(20s: 59.4±11.0 30s: 53.0±12.3 40s: 50.7±9.6 50s: 48.2±9.6 60s: 41.5±9.5 70s: 40.5±9.9 80s: 39.6±9.1 p<0.0001).E/Aは加齢により低下した(20s: 2.3±0.5 30s: 2.0±0.5 40s: 1.8±0.7 50s: 1.5±0.4 60s: 1.2±0.3 70s: 1.1±0.3 80s: 0.9±0.3 p<0.0001).TEaは加齢により低下した(20s: 13.6±3.4 30s: 13.1±2.9 40s: 11.3±3.5 50s: 9.8±2.6 60s: 8.4±2.2 70s: 7.5±2.0 80s: 7.1±2.4 p<0.0001).
【結論】
健常例において右室拡張機能は,加齢により影響をうける.年齢と比較的良い相関を示したのはE/AとTEaであった.右室拡張能を評価する時にも年齢を考慮するする必要性があるとおもわれた.