木澤 隼, 伊藤 隆英, 川西 泰徳, 宮村 昌利, 林 哲也, 石坂 信和

Shun KIZAWA, Takhide ITO, Yasunori KAWANISHI, Masatoshi MIYAMURA, Tetsuya HAYASHI, Nobukazu ISHIZAKA

大阪医科大学内科学 III

The Third Department of Internal Medicine, Osaka Medical College

キーワード :

【目的】
駆出後収縮（postsystolic shortening：PSS）は，駆出期以降もなお心筋の収縮が持続する現象である．automated servo ventilation（ASV）は心不全に対する新しい補助呼吸療法である．本研究では心臓超音波によるautomated functional imaging（AFI）を使用し，ASVが心不全患者のPSSを軽減させるか否かについて検討した．
【方法】
対象は収縮性心不全患者13名（55±14歳）である．ASV未施行の患者5名を対照群とした．AFIでは左室17区画におけるpostsystolic index（PSI）がbull’s eye表示される（図）．PSIとは最大ストレイン値に対する大動脈弁閉鎖後のストレイン値の割合である．PSI≧10%を異常区画とした．ASV前後における異常区画数，BNP，左室駆出率（EF）を評価した．
【結果】
ASV群：BNPは434±274から222±222 pg/ml（p＜0.01），EFは30±6から34±5%（p=0.03），異常区画数は12±1.5から7.9±2.9（p＜0.01）と変化した．対照群：BNPは341±204から120±100 pg/ml（p=0.06），EFは28±9から32±12%（p=0.05），異常区画数は7.8±3.2から8.0±3.2（p=NS）と変化した．
【結論】
ASVはPSSの軽減を介して心機能改善に寄与している可能性がある．