Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2011 - Vol.38

Vol.38 No.Supplement

一般口演
循環器:肺動脈・右心機能

(S343)

富士山頂における高山病と肺高血圧症の関連とsildenafilの効果

High Altitude Sickness and Pulmonary Hypertension at Mt.Fuji and acute effect of Sildenafil

伊藤 義浩

Yosihiro ITO

藤田保健衛生大学医学部循環器内科

Division of Cardiology, Fujita Health University, School of Medicine

キーワード :

【目的】
近年富士山登山者が増加傾向にある.また高山病において肺高血圧が増加すことが知られている.これらの症例に対してsildenafilが効果あるか検討した.
【対象】
富士山頂に登山した健常者18名
【方法】
使用機器はphillips社製CX50.富士山麓にて被検者に経胸壁心エコーを実施(TTE).山頂の快適環境にて安静後のバイタル,TTEを測定.血圧,経皮酸素飽和度,左室駆出率(EF)%,三尖弁逆流(TRPG)を測定した.また高山病の症状が出現し,TRPGが増悪した群に対してsildenafilを投与し,服用30分後に再度TTEを施行した.
【結果】
平均年齢42±15歳,男子15名,女性3名.山麓安静時の平均EFは62.5%,TRPGは8.5mmHg.富士山頂登頂後に2例に高山病の症状が出現し,TRPGも平均30.6mmHgの上昇を認めた.sildenafilを25mg服用し,TTEを再度測定したところ12mmHgの改善を認めた.
【結論】
富士山山頂で高山病の症状が出現した群においては肺高血圧(TRPG)の上昇が認められた.またこの症例に対して,sildenafilは有効あることが示唆された.