英文誌(2004-)
一般口演
循環器:心臓と動脈関連
(S341)
カルシウム拮抗剤アムロジピンのストレス誘発型心機能低下に対する予防効果
Amlodipine, calcium channel antagonist could prevent stress induced cardiac dysfunction like α and β blocker
高野 友里, 石蔵 文信, 江川 舞, 小丸 和樹, 豊川 沙織
Yuri TAKANO, Fuminobu ISHIKURA, Mai EGAWA, Kazuki KOMARU, Saori TOYOKAWA
大阪大学医学系研究科保健学専攻
School of Allied Health Sciences, Osaka university
キーワード :
【背景】
ストレス誘発により一時的な心機能が低下し,その心機能低下がラベタロールのようなαβブロッカーにより抑制されることを報告してきたが,カルシウム拮抗剤のような他の降圧剤の効果は十分に検討されていない.
【目的】
アムロジピンのストレス誘発型心機能低下に対する効果をαβブロッカーであるラベタロールと比較し,検討する.
【方法】
8〜11週齢の雄性SDラットを対象とし,前処置としてアムロジピン (0.2mg/kg),αβブロッカーであるラベタロール (3mg/kg),あるいは蒸留水を経口投与し安置した後,30分間の身体抑制を行い,その直後に麻酔を投与し,10分毎に60分間心機能評価を行った.心機能評価は閉胸下で超音波装置SONOS5500(PHILIPS社製)s12型探触子(周波数5〜12MHz)を用い,左室短軸像を乳頭筋レベルで拡大描出し,左室面積変化率(FAC)を算出して行った.
【結果】
ストレス極期のFACはコントロール群において94.9±2.0%,アムロジピン群において92.4±1.9%と過収縮を示したが,ラベタロール群では80.8±1.6%と過収縮を有意に抑制した.麻酔投与20分後のFACはコントロール群で59.7±7.3%と低下したが,ラベタロール郡は 72.5±4.5%,アムロジピン群は83.8±8.4%と有意に低下を抑制した(p<0.05).また,麻酔投与60分後,コントロール群はFACが94.3±2.7%と回復しているが,ラベタロール郡では79.8±2.1%とコントロール群よりも有意に低い値となった(p<0.05).一方アムロジピン郡では,91.4±1.6%とコントロール群と同程度の値となった.
【結語】
アムロジピンの単回投与は,ストレス誘発型心機能低下に対して,αβブロッカーと同様に抑制効果を示した.