Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2011 - Vol.38

Vol.38 No.Supplement

一般口演
基礎:イメージング1

(S323)

微小気泡の生体内制御支援のための血管形状の3次元座標計測システムの開発

Development of 3D measurement system of shape of blood vessel for activecontrol of microbubbles in vivo

加藤 俊和1, 田口 侑人1, 吉永 崇2, 宮崎 航1, 菅野 悠樹1, 齊藤 俊1, 桝田 晃司1

Toshikazu KATO1, Yuto TAGUCHI1, Takashi YOSHINAGA2, Wataru MIYAZAKI1, Yuki SUGANO1, Shun SAITO1, Kohji MASUDA1

1東京農工大学大学院生物システム応用科学府, 2九州先端科学技術研究所生活支援情報技術研究室

1Graduate School of Bio-Applications and Systems Engineering, Tokyo Univ. of Agriculture and Technology, 2Daily-life Support Technology Labratory, Institute of Systems, Information Technologies and Nanotechnologies

キーワード :

【はじめに】
我々はこれまで,微小気泡を用いた薬物伝送治療システムへの応用を目指し,音響放射力を用いた微小気泡の生体内制御法を検討してきた[1, 2].また実際にこれらの手法を生体内へ応用するために,超音波音場分布と断層像観測用のプローブ断層面,及び臓器の相対的な位置関係を,光学式3次元計測装置を用いて把握する可視化インターフェースを開発してきた[3].しかし,目標部位に至る血管経路を正確に選択し,微小気泡の誘導を行うためには血管の3次元座標情報が必要であり,従来の3Dプローブのような血管形状のボリュームデータ生成法では血管の3次元座標を取得することが不可能であった.そこで本研究では,断層面の厚さと血管のサイズ及び密度に応じた走査法によりボリュームデータを生成することで,血管形状を3次元計測するシステムを開発した.
【方法と結果】
まず,図の左に示す内径2[mm]程度の人工血管を水槽中に沈め,血管から30mm程度の位置から専用の治具によりプローブのピボット走査を行い,3次元計測装置から取得されたプローブの位置・姿勢情報を用いて断層像の空間座標を取得した.それと同時に超音波診断装置(LOGIQ7, GE Healthcare)のPower Doppler モードにより撮像したカラー動画像を,これまでに開発してきた画像処理手法によって血管認識を行った.そして,断層面の厚さを考慮し,得られたボリュームデータからMarching Cubes法を要素技術とした可視化手法により,図の右に示すようなリアルタイム3次元再構築を実現した.
【まとめ】
本研究では断層面の厚さを考慮してボリュームデータを生成し,血管形状を3次元再構築した.今後は上流部から目標部位へと続く血管経路を血管網の中から特定し,微小気泡の生体内制御支援に利用可能なシステムへ発展させる.
【参考文献】
[1]K. Masuda, et al, JJAP, Vol.49, No.7, 07HF11, 2010
[2]K. Masuda, et al, JJAP, Vol.48, No.7, 07GK03, 2009
[3]加藤ほか,信学技報, Vol.110, No.91, pp.1-6, 2010