Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2011 - Vol.38

Vol.38 No.Supplement

特別演題企画33 整形外科:「まずレントゲン」ですか?〜骨折と軟部組織損傷の超音波画像診断〜

(S280)

足関節内がえし捻挫に対する超音波画像診断

Ultrasound imaging for inversion ankle sprain

高橋 周, 細越 琢, 日下 仁

Shu TAKAHASHI, Taku HOSOGOE, Jin KUSAKA

気仙沼市立病院整形外科

Orthopedic Surgery, Kesennuma City Hospital

キーワード :

足関節内がえし捻挫は整形外科が扱う外傷の中で最も頻度の高いものである.しかし,学童期の子供における足関節捻挫後の受療行動の調査では,病院が14%,整骨院が41%,病院と整骨院の両方が18%,放置が27%であった.(2009年秋田県大仙市スポーツ検診)今までの整形外科では単純X線による画像診断が多く用いられてきたが,単純X線写真で外果裂離骨折や靱帯損傷を診断することは困難なことが多く,見逃されているケースが多い.この見逃しを回避するためにCTやMRIによる骨軟部組織の評価がなされるが,保険の適応や装置の価格等の問題で,繰り返しの検査が困難なことが多い.このため足関節捻挫に対しては単純X線写真による画像診断と病歴から診断がなされ,消極的な保存療法が行われることが多かった.近年,エコー装置のフルデジタル化に伴う高画質化により運動器のエコー検査が十分臨床に応用できるだけでなく,CTやMRIなどの画像診断装置を凌駕する画像を得ることが出来るようになった.当院では外来診察にエコーを導入し,足関節捻挫の診断にも積極的に活用している.当科の一般外来並びにスポーツ外来を受診した小・中・高校生の足関節捻挫例をエコーを用いて診断し,外果裂離骨折と靱帯損傷との鑑別,足関節前距腓靱帯損傷と他の靱帯損傷との鑑別,前距腓靱帯の損傷部位の同定,損傷靱帯の動的観察,血流の観察などを紹介する.