英文誌(2004-)
特別演題企画26 領域横断:携帯超音波と向き合う!
(S251)
携帯超音波と向き合う -産婦人科領域-
Portable ultrasound equipment in Obstetrics and Gynecology
市塚 清健
Kiyotake ICHIZUKA
昭和大学病院産婦人科
Obstetrics and Gynecology, Showa University Hospital
キーワード :
産婦人科領域における超音波断層装置は「産婦人科医の聴診器」と例えられている.何故なら産婦人科医は殆どの場面に於いて診断する際に問診,触・内診の次に超音波断層装置を用いるからである.聴診器との違いはその大きさ,つまり携帯性であった.今回のテーマである携帯型超音波はまさにポケットに入ると言う点で大きさの点においても聴診器に近づいたといえる.
分娩室にでさえ日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会によるガイドラインでは超音波診断装置を常備しておくことが望ましいとしている.この目的は子宮内反症,子宮破裂などあくまで「診断すること」が目的である.
一方で,これまで据え置き型超音波診断装置で行っていた「診断」のすべてを携帯型超音波断層装置で行えるとは誰も思っていないと思われる.
今回は携帯型超音波を使用する経験を得たので,産婦人科領域において携帯型超音波で診断ができるのならばどの程度までの診断をカバーできるのか,または診断は不可能であるのか,携帯型超音波の産婦人科臨床面での位置づけを行うことを目的に①胎児心音の確認(ドプラ検査で確認困難な症例や多胎妊娠などにおける)②分娩時の胎児回旋の確認③胎盤遺残の確認④その他を想定しその有用性について検討したので報告させていただく.