Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2011 - Vol.38

Vol.38 No.Supplement

特別演題企画19 泌尿器:泌尿器超音波は,CT,MRI,PET-CT と戦えるか?

(S222)

腎・尿路・前立腺のCT・MRI診断

CT and MRI diagnosis of the kidney, urinary system, and prostate

後閑 武彦

Takehiko GOKAN

昭和大学医学部放射線医学講座

Department of Radiology, Showa University

キーワード :

腎・尿路の画像診断は1985年以前では排泄性尿路造影が中心であったが,ヘリカルCTが普及した1995年以降は血尿を除く腎・尿路疾患(尿路結石,外傷,腎腫瘤,尿路感染など)はCTが主体となった.MDCTが出現した2000年以降は血尿を含む腎・尿路疾患のほぼすべての画像診断はCTで可能となってきている.これはCTの時間分解能,空間分解能が飛躍的に進歩し,短時間で薄いスライスのCT画像を容易に得ることが可能となったためである.単純CT,造影剤投与後の動脈相,腎実質相,排泄相などを撮像することにより,腎血管,腎実質,腎盂尿管病変を3D画像で評価可能である.尿路画像はCT尿路造影として排泄性尿路造影に替わる検査法として普及しつつある.この領域におけるMRIはCTに付加した情報が期待される場合,小児などX線被曝を避けたい場合,ヨ-ドアレルギ-がある場合が良い適応であるが,ほぼCTと同意程度の診断能を有していると考えられている.CT尿路造影は造影剤を使用する必要があるが,MR尿路造影では造影剤を使用しない非造影MR尿路造影もあり,適応を適切に選択すれば有用な方法である.前立腺の診断に関しては経直腸的超音波が画像診断及び前立腺針生検のガイドとしてその重要性は明らかであるが,近年MRIは,高分解能画像,ダイナミック撮像法,拡散強調像,MR spectroscopy(MRS)など新しい技術の進歩により,前立腺癌を始めとする前立腺疾患の画像診断法として発展し続けている.以上の様にCT,MRIは進歩してきているが,超音波も大きく進歩を続けている.両者は互いの利点を生かしながら泌尿器領域の画像診断法として発展していくと思われる.