英文誌(2004-)
特別演題企画10 循環器:内科医と内科技師が学ぶ成人先天性心疾患
(S179)
内科医と内科技師のための先天性心疾患の3D心エコー
Three-Dimensional Echocardiography of Congenital Heart Disease
瀧聞 浄宏, 安河内 聰, 松井 彦郎
Kiyohiro TAKIGIKU, Satoshi YASUKOCHI, Hikoro MATSUI
長野県立こども病院循環器小児科
Department of Pediatric Cardiology, Nagano Children’s Hospital
キーワード :
先天性心疾患は,術前,術後を問わず,薬物治療,カテーテル治療,手術技術の革新的な進歩により,確実に予後が改善されている.したがって,多くは成人となり内科医や超音波技師にとって,遭遇する機会が確実に増えてゆく.患者を診断,治療するにあたり,解剖学的,血行動態的な理解が必要となってくるのは避けられない.そのような状況の中で,精度の向上が著しい,現在のリアルタイム3D心エコー法は,先天性心疾患の立体的なイメージを具体的に表現しうる有用な手段の一つとなった.特に力を発揮するのは,カテーテル治療や外科的修復術のプランニングを行うための心内構造の評価である.実際に心房中隔欠損や心室中隔欠損の閉鎖術,両大血管右室起始症における心内ルート作成,術後左室流出路狭窄に対する再手術,複雑先天性心疾患の共通房室弁形成術などの術前評価があげられ,これまで,2次元エコーから立体構造を頭の中で構築し,外科医に解剖学的な情報を提供していたことが,手術の視野をダイレクトに表示し,外科医とともに的確な手術方法を考えることができるようになった.さらに先天性心疾患では解剖学的複雑さ故に2次元では把握が難しかった情報も含まれていることが多い.本発表では,我々の実際の活用法を具体的に提示する.さらに,先天性心疾患の3次元エコーによる心機能評価,房室弁機能の評価等についても概説したい.