上嶋 徳久

Tokuhisa UEJIMA

心臓血管研究所循環器科

Department of Cardiology, Cardiovascular Institute

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コンピュータシミュレーションやPhase contrast MR法を用いた検討から分かったことは，正常な左室では，血流は非対称性に渦を巻き，流れの方向をスムーズに変える．その様は，流体のエネルギー損失を最小限にし，駆出を促しているように見える．このような左室血流動態を観察する簡便な方法として，Vector Flow Mapping法が開発された．この方法は，カラードプラ速度情報から，数学的に，二次元観察面上のベクトルを推定する．Phase contrast MR法に比べ，二次元ではあるが，空間分解能，時間分解能に優れ，有力なリサーチツールとして，注目を集めている．しかし，このベクトルの推定には様々な仮定が内在しているため，その精度を検証する必要があった．われわれは，コンピュータシミュレーション，円柱回転ファントム，流れファントムを用いて，段階的にVFMを検証したので，その結果を報告する．また，血流を評価する意義について，文献的な考察を加えるとともに，パイロットデータを示す．