英文誌(2004-)
特別企画
特別企画1 心臓を診る
外国留学経験者による講演2
(S128)
Vector Flow Mapping:私たちは,ここまで来た
Vector Flow Mapping: we’ve made it this far
上嶋 徳久
Tokuhisa UEJIMA
Wales Heart Research Institute, School of Medicine, Cardiff University
キーワード :
われわれは,既に,ドプラ法を用いて血流速度を測定したり,カラードプラ法を用いて流れの様子,特に逆流や狭窄の程度を評価したりしている.ドプラ法の最大の問題は角度依存性で,ビーム方向の速度成分しか評価できない.その欠点を克服すべく開発されたのがVector Flow Mappingで,ビームと直交成分を数学的に求め,ベクトルを算出する.その算出には,様々な仮定が含まれており,臨床応用する前に検証が必要であった.われわれは,コンピュータ・シミュレーション,円柱回転ファントム,流れファントムを用いて,段階的にVFMを検証したので,その結果を報告する.
現在,様々な方法で心臓内の血流が評価されている.コンピュータ・シミュレーションやPhase contrast MR法がコンベンショナルな方法であるが,最近では,Blood Flow Imaging法やecho PIV法という新しい方法も開発された.また,アロカのVector Flow Mappingと同様のコンセプトで開発された別の手法も出現しており,それらとの比較も交えながら,血流可視化法をまとめてみる.