英文誌(2004-)
特別企画
特別企画1 心臓を診る
外国留学経験者による講演1
(S123)
心エコーによる心臓メカニクスの変数測定は どこまで正確か?
Accuracy of Echocardiography-Based Quantification of Cardiac Mechanics
足利 洋志
Hiroshi ASHIKAGA
Division of Cardiology, Johns Hopkins University
キーワード :
循環器の臨床にかかわる医師にとって,心エコーはなくてはならない極めて有用なツールである.検査はポータブルで,簡単に患者のベッドサイドで行うことが出来る.しかも非侵襲的で安全性は抜群.心エコーの最も大きな強みは,心房,心室,弁といった心臓の構造だけでなく,左室駆出率(Ejection Fraction, EF)に代表される心臓の機能を定量化できるところにある.
ここ10年間の技術革新の結果,心エコーはEFだけでなく,心室壁のStrain, Strain rate, Torsionといった心室壁メカニクスの様々な変数も定量化できるようになった.しかし,心エコーの基本は超音波である.超音波を使って,どのようにこうした変数を測定しているのか?また,これらの変数はどれだけ正確なのか?本講演では,心室壁メカニクスの基本,心室壁メカニクスの変数,他検査との比較,そして心エコーによる心室壁メカニクス変数測定の利点・欠点等についてわかりやすく解説する.
Ashikaga H and McVeigh ER. Imaging of myocardial mechanics. In Novel Techniques for Imaging the Heart: Cardiac MR and CT, Edited by Di Carli MF and Kwong RY. American Heart Association. Oxford, Blackwell Publishing. Chapter 21, p 328-335, 2008