Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般ポスター
産婦人科:胎児診断

(S519)

出生前診断されたFraser症候群の一例

A case of report; prenatal diagnosis of Fraser syndrome

和田 誠司, 種元 智洋

Seiji WADA, Tomohiro TANEMOTO

東京慈恵会医科大学産婦人科

Obstetrics and gynecology, Jikei university school of medecine

キーワード :

【緒言】
Fraser症候群は潜在眼球症を主症状とし他に合指症,外性器異常,喉頭狭窄,腎無形生などを来たす常染色体劣性遺伝の遺伝形式をとる稀な疾患である.今回我々は胎児腹水を契機に出生前診断されたFraser症候群を経験したので報告する.
【症例】
31歳女性,1経妊0経産.妊娠10週で当院初診.当院で健診中の妊娠22週5日に胎児腹水が出現した.精査した結果,肺が高エコーで胸郭が膨張しCTAR 18%と低下していたため喉頭狭窄を疑った.他合指症,外性器異常,片側腎無形成,単一臍帯動脈,片側眼球低形成を認めたため胎児Fraser症候群と診断した.胎児発育や羊水量は正常範囲であり,羊水染色体検査は46, XXであった.妊娠38週3日に自然経腟分娩となった.児は2565g,女児,apgar score 1分後2点,5分後1点で直ちに気管内挿管を試みたが喉頭狭窄が強く挿管不可能であり,出生後1時間後に死亡した.出生後に認めた外表奇形は片側潜在眼球症,合指症,外性器異常,片側腎無形成,単一臍帯動脈でありFraser症候群と診断された.
【考察】
本症例は超音波検査による診断で重度の気管狭窄が予測され,出生後の管理方針が問題となった.