Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般ポスター
産婦人科:胎児診断

(S518)

4D-STIC with inversion modeを用いた胎児大血管の走行の評価

4D sonographic imaging of fetal cardiac outflow tracts with invertion mode

森 信博, 野口 純子, 花岡 有為子, 金西 賢治, 山城 千珠, 田中 宏和, 塩田 敦子, 柳原 敏宏, 秦 利之

Nobuhiro MORI, Junko NOGUCHI, Uiko HANAOKA, Kenji KANENISHI, Chizu YAMASHIRO, Hirokazu TANAKA, Atsuko SHIOTA, Toshihiro YANAGIHARA, Toshiyuki HATA

香川大学医学部母子科学講座周産期学婦人科学周産期科女性診療科

Department of perinatology and gynecology, Kagawa university school of medicine

キーワード :

【緒言】
近年,超音波診断法の発達により,胎児の心臓が詳細に描出されるようになり,心奇形の診断が進歩した.今回我々はinversion modeを用いた4D-STIC法にて胎児心臓の描出を試み,大血管をはじめとする構造の評価を試みた.さらに胎児心奇形の診断に関し,有用性を検討したので報告する.
【目的】
4D-STIC with inversion modeを用い,胎児大血管を描出することを目的とした.
【方法】
妊娠16-37週の正常胎児13例,および先天性心疾患をもった胎児7例(両大血管右室起始症1例,ファロー四徴症1例,大血管転移症1例,肺動脈低形成を伴った心室中隔欠損症1例,左心低形成症候群3例)を対象とした.4D-STIC with inversion modeを用い,胎児大血管の走行の評価を行った.
【結果】
すべての胎児で大血管の走行を同定することが可能であった.正常胎児では肺動脈が大動脈の前方を走行する様子を明瞭に描出することができた.両大血管右室起始症では右心室から肺動脈と大動脈が平行に走行する様子が鮮明に描出された.ファロー四徴症と心室中隔欠損症では細い肺動脈を描出することができた.大血管転移症では両大血管が平行して走行する様子を描出できた.左心低形成症候群では細い大動脈が明瞭に同定できた.
【結論】
4D-STIC with inversion modeにより胎児の大血管の走行をはじめとする心臓の構造が明瞭に描出された.本法により大血管の走行や狭窄等の形態異常を評価する有用な診断法となり得ることが示唆された.