Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般ポスター
消化器:肝腫瘍

(S496)

当院の肝癌診断・治療における造影超音波検査の検討

Study of US for HCC in Okazaki City Hospital

大矢 和広, 内田 博起, 徳井 未奈礼, 鬼塚 亮一, 松岡 歩, 佐藤 淳一, 藤吉 俊尚, 飯塚 昭男

Kazuhiro OYA, Hiroki UTIDA, Minare TOKUI, Ryouiti ONIDUKA, Ayumu MATUOKA, Jyuniti SATOU, Tosinao FUJIYOSI, Akio IIDUKA

岡崎市民病院消化器科

Digestive Organ, Okazaki City Hospital

キーワード :

【目的】
当院では,平成20年4月より造影超音波検査を導入し,年間約150例程度施行している.当院における造影超音波検査の肝癌に対する感度,特異度,正診率について評価検討した.
【対象】
平成20年4月1日〜平成21年12月31日までにペルフルブタンを用いた造影超音波検査を施行し,総合画像診断(造影CT,造影MRI等)または病理学的に診断が確定した肝癌症例を対象とした.原発性肝癌49症例,転移性肝癌36症例,それぞれについて造影USの感度,特異度,正診率を算出し,肝癌治療効果判定39症例については造影CT画像所見と比較検討した.
【方法】
使用装置は東芝Aplio XG,使用プローブは3.5MHzコンベックスプローブ,撮影法はパルスサブストラクションモード,フレームレートは11,MI値は0.2〜0.25 focus pointは血管相では腫瘍下縁,クッパー相では肝の最も深い位置にあわせ,ソナゾイドを0.007ml/kgに調剤し,ボーラス投与後,10秒〜3分間に 2.3回のリフレッシュメントを施行しながら血管相を,10分後にクッパー相を撮影した.
【結果】
原発性肝癌における感度/特異度/正診率は,93.9%/100%/89.8%,転移性肝癌における感度/特異度/正診率は,88.9%/94.4%/86.1%であった.また肝癌治療効果判定の際に施行した39症例のうち1症例では,RFA後造影CTでは指摘し得なかった残癌病変を指摘得た.
【考察】
一般的に肝癌に対する造影CTの感度/特異度は68%/81%,造影USにおける原発性肝癌における感度/特異度/正診率は98.2%/96.5%/94.3%,転移性肝癌では88.4%/95.8%/85.1%とする報告がある.今回,当院の肝癌における造影USの感度,特異度,正診率を検討し,ほぼ同等の診断能を有していた.また,効果判定における診断能は特に優れていた.一部の肝癌症例では,造影超音波検査のクッパー相においてdefectを呈さない症例もみられ,当院の成績に影響したと考えられた.
【結語】
今後当院でも,造影USは肝癌診断や治療支援,効果判定の際の有用な検査として期待されるが,典型的な像をとらない例もあり,他の画像検査との比較検討も必要と考えられた.