Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般ポスター
消化器:肝細胞癌

(S494)

Sonazoid造影超音波検査post vascular phaseとMRI EOBプリモビスト肝細胞相の比較

Comparison of the imaging for hepatic tumor with contrast enhanced ultrasonography with Sonazoid and Gd-EOB-DTPA Enhanced MRI

廣井 喜一, 小川 眞広, 塩澤 克彦, 阿部 真久, 松本 直樹, 中河原 浩史, 大城 周, 山本 敏樹, 田中 直英, 森山 光彦

Yoshikazu HIROI, Masahiro OGAWA, Katsuhiko SHIOZAWA, Masahisa ABE, Naoki MATSUMOTO, Hiroshi NAKAGAWARA, Shu OSHIRO, Toshiki YAMAMOTO, Naohide TANAKA, Mitsuhiko MORIYAMA

駿河台日本大学病院消科器肝臓内科

Department of Gastroenterology and Hepatology, Surugadai Nihon University Hospital, Tokyo, Japan

キーワード :

【目的】
MRI用肝臓造影剤ガドキセト酸ナトリウム(EOB・プリモビスト)は,細胞外液性造影剤の造影効果のほかに肝細胞特異性を有する造影剤として肝腫瘍の鑑別診断・存在診断の向上に役立ち広く使用されるようになってきている.特に胆汁排泄され造影開始約15分以降の肝細胞造影相では,肝癌とその境界病変の鑑別診断に有用とされている.経静脈的超音波造影剤Sonazoidも同様に肝実質に造影剤が残存するためこれまでほぼ同じ目的で検査が施行されていた.しかし最近の症例増加に伴い両者の結果が一致しない症例も散見されるようになり非常に興味が持たれるところである.両者を比較した場合,分解能の違いにより超音波検査では多数の結節が見られることも多く,同じ結節を見ているのか疑問を抱くことも少なくない.そこで今回我々は,磁気センサー搭載の超音波診断装置を用い,MRI画像と超音波画像の空間座標補正を行い画像比較しその有用性を検討したので報告する.
【方法】
対象は,駿河台日本大学病院においてほぼ同じ時期に造影超音波検査とEOB・プリモビストを用いた造影MRI検査を施行した肝腫瘍性病変56結節である.(使用装置および撮影条件)MRI:PHILIPS社製INTERA 1.5T ACHIEVA NOVA,EOB・プリモビスト0.1ml/kgを静脈内ボーラス投与後15分で撮影した肝細胞造影相を用いた.超音波検査:GEヘルスケア社製LOGIQ9,B-modeおよびsonazoid0.015ml/kgまたは0.5ml/bodyを静脈内ボーラス投与し10分以降をpost vascular phaseとした.MRI検査のDIOMデータを超音波診断装置内に挿入し内蔵ソフトを用いて空間座標補正を行い画像比較した.
【結果】
両者の結果は95%一致していたが一部で解離症例を認めた.解離症例は5mm前後の結節で超音波検査では欠損像を呈したがMRI検査で欠損像を呈しない症例も存在したが,多くはMRIで欠損像を呈しても超音波検査で欠損像を認めない症例であった.解離症例の確認において本システムは非常に有用であり特に小さな結節性病変の綜合評価において重要な手法であった.
【まとめ】
Sonazoid を用いた造影超音波検査とEOB・MRI肝細胞相は全てが一致するわけではなく欠損像の意義については症例の集積が必要であると考えられた.欠損像が全て癌結節ではない可能性も示唆され今後の症例の積み重ねと詳細な検討が必要であると考えられた.