Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般ポスター
循環器:症例1

(S483)

肥大型閉塞性心筋症で大動脈弁狭窄症を合併した症例に感染性心内膜炎をきたした1例

A case of infective endocarditis with hypertrophic cardiomyopathy and aortic stenosis

辻 裕美子, 谷口 京子, 橋本 三紀恵, 後藤 千鶴, 塩見 香織, 河野 ふみえ, 前川 清, 内藤 昭智, 平野 豊

Yumiko TSUJI, Kyoko TANIGUCHI, Mikie HASHIMOTO, Chizuru GOTOU, Kaori SHIOMI, Fumie KOUNO, Kiyoshi MAEKAWA, Shouchi NAITOU, Yutaka HIRANO

近畿大学医学部附属病院中央臨床検査部

Department of Central Clinical Laboratory, Kinki University Hospital

キーワード :

【症例】
81歳の女性
【主訴】
全身倦怠感
【現病歴】
約1週間前から夕方になると38度台の発熱が出現し,朝方には37度台となっていた.全身倦怠感が次第に増悪するため入院となった.
【入院時現症】
身長147 cm,体重43 kg,体温37.7 ℃.第3肋間胸骨左縁で収縮期駆出性雑音Levine 3度を聴取する.
【入院後経過】
入院時施行した経胸壁心エコーでは,心室中隔18 mm,左室後壁10 mmと非対称性左室肥大があり,SAMがみられた.ドプラー法で求めた左室流出路の血流速度は4.6 m/secであった.また大動脈弁は三尖とも硬化しており,大動脈弁での駆出血流は最大3.1 m/secであった.僧帽弁輪に石灰化があったが,疣贅の存在は明らかでなかった.さらに確定診断のために,3次元経食道エコーを施行した.使用装置は,フィリップ社製iE 33である.その結果,僧帽弁前尖(A2)の左房側に直径8x7 mmの疣贅がみられた.さらに血液培養でstreptococcus sanguinisが検出されたため,感染性心膜炎と診断され,ペニシリンおよびゲンタマイシンの投与が行われた.
【まとめ】
肥大型閉塞性心筋症に大動脈弁狭窄症を合併した症例に,感染性心内膜炎を併発した1例を経験した.経胸壁心エコーで明らかではない疣贅の診断に,3次元経食道エコー検査は有用であった.