Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般ポスター
循環器:脈管

(S482)

当科における超音波ガイド下中心静脈穿刺の試み

real-time ultrasonic guidance for percutaneous puncture of the central vein

崎尾 浩由, 大原 千知, 五十嵐 祐介, 梅田 啓

Hiroyuki SAKIO, Chiharu OHHARA, Yuusuke IGARASHI, Akira UMEDA

大田原赤十字病院内科

Internal medicine, Ohtawara red-cross hospital

キーワード :

【目的】
従来の中心静脈穿刺は盲目的穿刺法にて行われており,当科でも中心静脈穿刺が必要な患者は解剖学的考察に基づいた経験のある各主治医により,それぞれの手技手法で行われていた.近年中心静脈穿刺に伴う合併症が医療事故として取沙汰されるようになってきており,より安全で確実な手技として超音波ガイド下中心静脈穿刺を当科でも導入した.そこで,当科において経験した症例において,患者背景,各穿刺部による比較,合併症,今後の展望につき検討した.
【対象と方法】
2009年3月より内科入院患者(高齢者肺炎や癌患者)を中心に他科より依頼された患者を含めた52症例を対象とした.
【結果】
対象症例の内訳は内頸静脈27例(51.9%),鎖骨下静脈5例(9.6%),大腿静脈20例(38.5%)であった.超音波によるスキャン開始から穿刺,挿入,固定縫合終了までの時間比較では内頸静脈,鎖骨下静脈,大腿静脈において,それぞれ28.3分,41.3分,19.4分であった.特に内頸静脈穿刺症例27例において長径10mmで区切った場合の時間比較では,10mm以上(18例),10mm以下(9例)で,それぞれ25.5分,43.3分であった.合併症は,動脈誤穿刺1例(内頸静脈穿刺症例),血腫3例(内頸静脈2例,大腿静脈1例),血栓1例(大腿静脈穿刺症例)であった.
【考察】
超音波ガイド下中心静脈穿刺において最も穿刺が容易な静脈は内頸静脈といわれており,当科でも対象症例の51%が内頸静脈穿刺症例であった.そのうち長径が10mm以上あるか否かが,穿刺におけるキーポイントと考えられる.また,当科では,鎖骨下静脈穿刺症例が少なく,今後症例数やデバイスなどの充実が必要と思われ,それらにつき文献的考察を加え検討する.