Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般ポスター
基礎:基礎

(S470)

超音波診断装置の人間工学的評価

Ergonomic evaluation of Diagnostic Ultrasound System

鈴木 浩之1, 齋藤 隆由1, 下村 義弘2, 勝浦 哲夫2

Hiroyuki SUZUKI1, Takayoshi SAITO1, Yoshihiro SHIMOMURA2, Tetsuo KATSUURA2

1アロカ株式会社デザインセンター, 2千葉大学大学院工学研究科

1Design Center, ALOKA CO.,LTD, 2Graduate school of engineering, Chiba university

キーワード :

【背景】
超音波画像診断は,種々の人間工学的条件によって検査者に対して負担の大きい不自然な姿勢となりやすい作業である.実際,欧米では,検査者に筋骨格系障害が発生しているとの報告がある.そこで我々は,筋負担が少ない,すなわち筋疲労を抑えることで障害が起こりにくい人間工学的に考慮された超音波画像診断装置の研究を行っている.
そこで,今回,研究成果を盛り込んだ新製品,開発品と現行製品とについて超音波画像診断装置の人間工学的考慮を評価した.
【方法】
研究成果を考慮した新製品Prosoundα6と現行製品を対象とした.被験者は,男女の社内超音波検査士9名,評価する検査動作(タスク)は最も基本的な腹部検査と心臓検査とした.タスクと特に関連する5つの筋の筋電図,パネル操作により変化する左手関節角度,操作者の操作評価を知るため「操作しやすさ」の主観評価を測定した(Fig.1)
測定終了後各筋について最大随意収縮(Maximal voluntary contraction: MVC)時の筋電位(100%MVE)を取得し,その筋電位実効値で,タスク中の筋電位実行値を比率化した筋負担[%MVE],左手関節角度[°],操作しやすさを評価指標とした.
【結果】
現行製品に比べて,新製品Prosoundα6の筋負担は,腹部,心臓検査作業いずれも減少し,最大で約30%軽減された(Fig.2)同様に左手関節角度はより背屈し,主観評価は操作しやすい結果であった.
【まとめ】
筋負担,左手関節角度,主観評価により,新製品Prosoundα6,開発品,現行製品について人間工学的考慮の評価を行い,新製品Prosoundα6については現行製品に比べ,改善されたことを確認した.
さらに 開発途上のものについても,現在評価中である.