Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般ポスター
基礎:基礎

(S469)

水熱合成PZTキャビテーションセンサを用いたキャビテーション音場測定の基礎検討

Fundamental consideration on measurement of sound field with acoustic cavitation by using cavitation sensor with hydrothermally synthesized PZT

椎葉 倫久1, 川島 徳道1, 黒澤 実2, 竹内 真一1

Michihisa SHIIBA1, Norimichi KAWASHIMA1, Minoru KUROSAWA2, Shinichi TAKEUCHI1

1桐蔭横浜大学大学院工学研究科医用工学専攻, 2東京工業大学大学院総合理工学研究科物理情報システム専攻

1Graduate school of biomedical engineering, Toin University of Yokohama, 2Graduate school of science and engineering, Tokyo institute of technology

キーワード :

現在,医用超音波技術では,高強度の超音波を高頻度で照射する傾向が高くなってきている.高強度の超音波を照射してキャビテーションが生体内で生じると,組織の破壊作用などの危険な作用があると危惧されている.一方,キャビテーションを積極的に利用するソノポレーション,HIFU,SDTのような治療法も注目されている.このような超音波の照射に対する生物学的安全性の確保という観点からも音響キャビテーションの測定が重要になり,これに関する研究が注目されており,音響キャビテーションを有効に利用するためにも,期待される効果と音響キャビテーションとの関連性や発生位置などを調査する必要がある.英国のNPLは円筒型のキャビテーションセンサを開発し,円筒外部で発生したキャビテーションの影響を受けず,円筒内で発生したキャビテーション信号のみを受信し,その発生箇所の同定を可能にした.この構造を参考に当研究室では水熱合成PZT多結晶膜を用いたキャビテーションセンサの開発と測定方法の研究を行っている.当研究室製の超音波照射システムを150 kHzで駆動して水槽底部から水槽内に超音波を照射したことで生じたキャビテーション音場中において試作したφ20 mmのセンサの評価を行った.センサの出力信号を前置増幅器で20 dB増幅し,オシロスコープに受信した受信波形をLabVIEW内に取込み周波数解析を行った.ステージコントローラを介してX-Yステージに装置されたセンサの位置を制御してキャビテーション音場の空間分布の測定を行った.測定は照射システムの中心を点(2, 2)とし,原点(0, 0)よりX軸方向に4 回,Y軸方向に4 回,各10 mmずつセンサを移動させ,計25 ポイントで行った.取得した信号のキャビテーション評価には,周波数スペクトルの中の,駆動周波数およびその高調波や分調波の周波数より高い1 MHz〜10 MHz間を積分するBIV評価また,他に周波数スペクトル中に観測される分調波によるキャビテーションの評価を行った.水槽内のキャビテーションの測定を行った結果,水槽の中心から少しずれた位置で最も高いBIV値を得た.BIV値が高い時は分調波のレベルも高かった.
【参考文献】
B.Zeqiri M.hodnett et-al:IEEE Trans.U.F.F.C,50,(2003)1342.