Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般口演
整形外科:整形外科1

(S461)

超音波による膝関節軟骨スキャナーの開発

Development of the ultrasound probe scanner for the knee cartilage

酒井 亮一1, 宮坂 好一1, 皆川 栄一1, 廣田 浩二1, 村下 賢1, 大橋 暁2, 大西 五三男2, 中村 耕三2

Ryoichi SAKAI1, Koichi MIYASAKA1, Eiichi MINAGAWA1, Koji HIROTA1, Masaru MURASHITA1, Satoru OHASHI2, Isao OHNISHI2, Kozo NAKAMURA2

1アロカ株式会社研究所, 2東京大学医学部整形外科学教室

1Research Laboratory, ALOKA Co.,Ltd., Tokyo, Japan, 2Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, University of Tokyo, Tokyo, Japan

キーワード :

【はじめに】
変形性関節症(以下,OA)は,関節軟骨の変性や摩耗を病態とする疾患である.特に高齢者で多く発症し,近年,高齢化に伴いその有病者数の増加が報告されている.臨床現場における実用的な診断方法としては,主にレントゲン画像が用いられている.しかし,軟骨自体はX線で描出できないため,隣接する骨形態から軟骨の状態を推測しているのが現状である.そこで,このような間接的な評価ではなく,軟骨を直接評価できる簡便な方法があれば臨床上極めて有用である.我々は,膝関節のOAを対象に,超音波を用いて簡便かつ非侵襲的な定量評価を目的とし,膝関節軟骨用の超音波プローブスキャナーを開発した.
【方法】
大腿骨遠位顆部に位置する膝関節軟骨に対して,中心周波数7MHzのリニアプローブ(UST-5412,アロカ)を円弧状に走査するスキャナーを開発した[Fig.1].スキャナーにはプローブ位置(回転角)を検出するエンコーダが内蔵されており,等角度(約0.8度)で超音波の送受信を行うことで膝関節軟骨の連続した複数のBモード断層画像を収集し,軟骨の3次元形体情報を取得した.被検者の違いによる膝頭の形状差の影響を低減するため,生体とプローブの間には水袋を介在させた.また,臨床的な関心領域の観点から,スキャン角度は80度に設定した.
【結果】
ボランティアによる評価試験を行ない,膝関節軟骨の連続的な断層画像が収集できることを確認した[Fig.2].
【まとめ】
膝関節軟骨用の超音波プローブスキャナーを開発し,関節軟骨の超音波断層画像を3次元的に収集できた.
【参考文献】
[1]宮坂,他:超音波医学(第82回講演抄録集),36(2009)S455.