Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般口演
体表:乳腺・甲状腺・診断

(S447)

MicroPure

Application of MicroPure to volume imaging

岡村 陽子1, 神山 直久1, 嶺 喜隆1, 栗田 武彰2

Yoko OKAMURA1, Naohisa KAMIYAMA1, Yoshitaka MINE1, Takeaki KURITA2

1東芝メディカルシステムズ超音波開発部, 2くりたクリニック乳腺甲状腺科

1Ultrasound Systems Division, Toshiba Medical Systems Corporation, 2Breast and Thyroid, Kurita Clinic

キーワード :

【はじめに】
MMG検診の普及などにより微細石灰化が契機となり発見される乳癌が増え,超音波における微細石灰化診断の重要度は益々あがっている.我々は,超音波画像から微細構造物を抽出することで,微細石灰化の視認性を高める手法(MicroPureTM)を提案した[1][3].近年,超音波診断装置でもメカニカルプローブを使用してボリュームイメージ(3D)が収集できるようになったことから,超音波による客観的な石灰化表示を目指して,3次元データに拡張したMicroPure映像法について,その結果を報告する.
【方法】
装置はAplioXGTM(東芝),探触子はPLT-1204MV(4Dリニアプローブ/ 12MHz)により乳房画像を収集した.微細石灰化描出に十分な空間分解能を得るため,低速揺動Single Sweepモードを用いた.収集したデータに対してガウシアンフィルタ処理を施しスペックルノイズを軽減し[2],微細構造物,層構造の3次元的な特徴を分析可能な3次元CFAR処理を施し,微細構造物の抽出精度を上げている.最終に,フィルタ結果と乳腺組織の両方の情報が効果的に表現できるように,透過度などを独立に変えて表示した.
【結果】
図は,3次元MicroPure処理のボリューム表示例である(実際は動画).石灰化の空間的分布,集族度が一目で分かり,石灰化診断に重要な情報である石灰化の周囲の低エコーも欠くことなく同時に表示することができた.また,データはボリュームで収集されているため,多断面表示,直交3断面表示などを用いると,あらゆる角度から石灰化の分布を知ることが可能であった.
【まとめ】
MicroPureを3次元に拡張することで,これまで,どのモダリティーでも見ることのできなかった石灰化の空間分布表示をすることができ,石灰化診断に必要な情報を客観的に表示することができた.今後は,臨床的価値がより向上するように,組織,微細石灰化(フィルタにより抽出されたもの),微細石灰化の周辺の低エコーがより分かりやすい表現方法などについて検討していきたい.