Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般口演
産婦人科:胎児診断(2)

(S425)

総合病院の産科超音波検査における超音波技師の役割と精度向上への取り組み

What should the sonographer do about the Obstetrics ultrasound? and is it possible to improve the accuracy?

小谷 よしみ1, 坂井 由紀子1, 井上 幸子1, 井上 裕美2, 後藤 正寿1, 川滝 元良3

Yoshimi KOTANI1, Yukiko SAKAI1, Sachiko INOUE1, Hiromi INOUE2, Masatoshi GOTOU1, Motoyoshi KAWATAKI3

1湘南鎌倉総合病院検査部, 2湘南鎌倉総合病院産婦人科, 3神奈川県立こども医療センター周産期医療部新生児未熟児科

1Department of Laboratory, Shounan Kamakura General Hospital, 2Department of Obstetrics and Gynecology, Shounan Kamakura General Hospital, 3Department of neonetalogy, Kanagawa Children’s Medical Center

キーワード :

【目的】
当院は総合病院であるが,産婦人科外来の中に超音波検査室があり,産科外来の超音波検査に関しては終日検査技師が検査に携わっている.最近過去5年間の成績を振り返り総合病院の産科における超音波検査への技師の関わりを考察した.
【結果】
2005年1月から2009年12月までに当院産科外来で経腹超音波検査をうけた8965人の妊婦に対し,述べ39777件の検査を行った.そのうち中枢神経系で所見があったのは15人0.17%,循環器系は38人0.42%(Isolated VSDは除く),消化器系その他は39人0.43%であった.主な所見は中枢神経系では脳梁欠損,髄膜瘤,二分脊椎など,循環器系はHLHS,TAPVD(Ⅲ型),TGA(Ⅱ型),TOFなど,消化器系その他では左右の横隔膜ヘルニア,TAM,CCAMなど.また,胎内で指摘できなかった所見は7人0.08%あり,直腸膣婁のある鎖肛,臀裂の裂孔などでその中で新生児搬送された症例は4例であった.
【考察】
今後さらにスクリーニングの精度を向上させるためには,3次病院から最終診断・治療・超音波所見をフィードバックしていただき,再度胎内での超音波所見をみなおし,所見のポイントを再確認する.胎内で指摘ができなかった症例に関しても後方視的に胎内の画像を見直し,文献等を見直して,どうして指摘ができなかったのか検討が重要と考える.また,経験の浅い検査技師に対して十分なトレーニングを積ませるシステム作りは必要と考える.産科医療は一病院内にとどまらず,さまざまな連携が必要であり,情報を共有することから診断技術の向上につながり,さらに外来を受診してくださる妊婦・胎児につながっていくように思われる.