鈴木 浩之¹, 谷口 信行², 尾本 きよか³, 松村 誠⁴, 森 秀明⁵, 関根 智紀⁶, 種村 正⁷, 高橋 正美⁸, 森田 大⁹, 酒井 一博¹⁰

Hiroyuki SUZUKI¹, Nobuyuki TANIGUCHI², Kiyoka OMOTO³, Makoto MATSUMURA⁴, Hideaki MORI⁵, Tomoki SEKINE⁶, Tadashi TANEMURA⁷, Masami TAKAHASHI⁸, Dai MORITA⁹, Kazuhiro SAKAI¹⁰

¹アロカ株式会社デザインセンター, ²自治医科大学臨床検査医学, ³自治医科大学附属さいたま医療センター臨床検査部, ⁴埼玉医科大学国際医療センター心臓内科, ⁵杏林大学医学部第三内科, ⁶国保旭中央病院中央検査部, ⁷（財）心臓血管研究所臨床検査部, ⁸東芝メディカルシステムズ株式会社超音波事業部超音波開発部システム開発, ⁹GEヘルスケア・ジャパン株式会社グローバル汎用超音波技術戦略マネージメント, ¹⁰（財）労働科学研究所所長

¹Design Center, ALOKA CO.,LTD, ²Department of Clinical Laboratory Medicine, Jichi Medical University, ³Department of Clinical Laboratory, Jichi Medical University Saitama Medical Center, ⁴Cardiology Department, Saitama Medical University International Medical Center, ⁵The Third Department of Internal, MedicineKyorin University School of Medicine, ⁶Department of Laboratory, Asahi General Hospita, ⁷Department of Clinical Laboratory, The Cardiovascular Institute Hospital, ⁸Ultrasound System Division Ultrasound System Development Department Systems Group, Toshiba Medical Systems Corporation, ⁹Technology Business Management General lmaging Ultrasound, GE Healthcare Japan Corporation, ¹⁰Executive Board Member, The Institute for Science of Labour

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【背景】
超音波検査は，種々の人間工学的条件から検査者に対して負担の大きい不自然な姿勢となりやすい作業である．実際，欧米では，検査者に筋骨格系障害が発生しているとの報告がある1）．この問題解決の為に，欧米では，関係団体が障害を減らすためのガイドライン2）や予防に関する工業規格1）を作成している．
日本においても検査者の筋骨格系障害は，潜在的な問題になっていると思われる．しかし，未だ日本でこのような障害を減らすための指針や規格は提案されていない．
そこで我々は，検査を円滑に行う上で妨げとなる筋骨格系障害の発生を抑制あるいは未然に防止するため，ひいては患者の検査機会の増進ために，日本の超音波検査環境に合わせた筋骨格系障害を軽減させる詳細な指針等の作成を計画している．まずはその資料を得るため，検査施設および検査者向けに現在の労働環境等についてアンケートを行ったので報告する．
【方法】
1）対象
国内施設：400箇所
国内検査者：1000人
2）期間：2010年1月〜2月
3）方法：郵送
4）内容：
①施設向けアンケート　：8問（選択あるいは記入）
施設名称，施設所在地，実施検査種類目的，検査場所，検査領域と回数，検査スタッフ構成，筋骨格系障害対象者，要望など．
②検査者向けアンケート：13問（選択あるいは記入）
年代，性別，身長，体重，経験年数，勤務する施設の種類，検査環境，検査領域，検査作業時間，身体状態，筋骨格系障害に対する対応，装置の満足度，検査環境，各種レイアウト，要望など．
【結果と今後の方向】
超音波検査環境を本アンケートに基づいて分析・評価することで，たとえば，①検査ブースの実態，②検査作業時間の実態，③検査者の筋骨格系の症状を含む，身体状況など，その問題点が明確となり，今後労働としての検査作業の改善へとつながることが期待できる．
今回のアンケート結果を基に超音波診断装置設計及び検査環境の問題点を抽出したのちに，超音波関連メーカーの協力を得て，人間工学的な対策検討を行う．この内容は，平成22年度の本会研究開発班に申請予定である．
［参考文献］
1．Diagnostic Medical Sonography　Society，Industry Standards for the Prevention of Work Related Musculoskeletal Disorders in Sonography, 2003
2．Australian Sonographers Association，Guidelnes For reducing injuries To Sonographers, 2002