Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般口演
消化器:その他

(S413)

腹部超音波検査が有用であった未破裂胃十二指腸動脈瘤の2例

The usefulness of the abdominal ultrasonography in two cases of gastroduodenal artery aneurysm

伊集院 裕康1, 厚地 伸彦1, 厚地 良彦1, 通山 めぐみ2, 高濱 哲也3

Hiroyasu IJUIN1, Nobuhiko ATUTI1, Yosihiko ATUTI1, Megumi TOORIYAMA2, Tetuya TAKAHAMA3

1天陽会中央病院内科, 2天陽会中央病院検査室, 3天陽会中央病院外科

1Internal Medicine, Tenyoukai Chuo Hospital, 2Clinical Laboratory, Tenyoukai Chuo Hospital, 3Surgery, Tenyoukai Chuo Hospital

キーワード :

【はじめに】
腹部動脈分枝の動脈瘤はまれであるが,破裂すると致死的な大量出血を来たしうる重篤な疾患である. 今回 無症状の未破裂胃十二指腸動脈瘤をカラードプラにて診断した症例を2例経験したので報告する.
【症例1】
75歳 男性.Parkinson病にて訪問診療を受けている患者.自宅にて転倒し頭部打撲にて来院.頭部CT異常なし.採血にて軽度貧血を認めた.腹部超音波検査を行った.B-mode にて膵頭部前に 8mm大の嚢胞様所見を認めた(Fig.1).カラードプラにて血流を認めた(Fig2).パルスドプラにて拍動波であり動脈瘤と診断した.MDCTによる3D表示にて上胃十二指腸動脈瘤と診断した.血管造影にて同部をGDCコイルにて塞栓治療した.術後腹部エコーにて動脈瘤は全体的に高輝度化し治療は有効と診断した.
【症例2】
 52歳男性.高血圧 胸心症 アルコール性肝障害にて通院中の患者.特に自覚症状無いが肝機能障害(GOT/GPT 37/44 γGTP20)もあり腹部エコー行った.B-mode にて胃の前側の脂肪織内に8mm大の嚢胞様所見を認めた.カラードプラにて血流を認めた.パルスドプラにて拍動波であり動脈瘤と診断した.MDCTによる3D表示にて 上胃十二指腸動脈瘤と診断した.血管造影にて同部をGDCコイルにて塞栓治療した.術後腹部エコーにて動脈瘤は高輝度化した.
【まとめ】
今回 比較的稀な未破裂胃十二指腸動脈瘤を腹部エコーにて発見したので報告した.腹腔内の嚢胞様所見を認めたときはカラードプラを行いパルスドプラにて波形を確認することが大切と思われた.また 塞栓術後にてエコー検査を行いえたので報告する.