Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般口演
消化器:肝細胞癌・造影

(S398)

RFA焼灼範囲とSonazoid造影超音波post vascular phaseのmicro bubble崩壊距離との関係

Evaluation of RFA ablation area,and micro bubble decay interval on post vascular phase after Sonazoid contrast ultrasound

高橋 政義, 和久井 紀貴, 高山 竜司, 塩沢 一恵, 永井 英成, 渡邉 学, 石井 耕司, 飯田 和成, 五十嵐 良典, 住野 泰清

Masayoshi TAKAHASHI, Noritaka WAKUI, Ryuuzi TAKAYAMA, Kazue SHIOZAWA, Hidenari NAGAI, Manabu WATANABE, Kouji ISHII, Kazunari IIDA, Yoshinori IGARASHI, Yasukiyo SUMINO

東邦大学医療センター大森病院消化器内科

Division of Gastroenterology and Hepatology, Toho University Omori Medicai Center

キーワード :

【目的】
RFA施行時に同一の電極針を用い同一の焼灼方法を行ったとしても焼灼範囲の大きさにばらつきがあり,予想より焼灼範囲が小さくなることがしばしばある.今回Sonazoid造影超音波post vascular phaseでの肝臓のバブルの崩壊距離とRFA焼灼範囲を比較しその関係を明らかにする.
【対象及び方法】
対象は2008年1月から2009年3月までにHCCに対してcool-tip 20mm針でRFA単独治療を行った40症例40結節.基礎疾患は全例肝硬変で,HBV由来4例,HCV由来29例,アルコール由来6例,AIH由来1例であった.またChild-Pugh分類では A:25例,B:15例.腫瘍径10〜22mm(mean±SD:14.6±2.8mm)であった.全40結節は視覚的に判断できる脈管(肝静脈または門脈)に接するもの6結節,接しないもの34結節であった.またHCC40結節のうち,多血性HCCは34結節,乏血性HCCは6結節であった.方法はRFA施行前に肝臓に対し東芝社製APLIO XGを用いてSonazoid造影超音波検査を施行.造影開始10分後のpost vascular phaseを観察した.次にflash-replenishment sequenceで肝右葉のmicro bubbleを崩壊させ,肝表面からの崩壊距離を測定した.その後RFA治療を行い,治療7日後の造影CTで焼灼範囲を測定し,崩壊距離と比較した.
【結果】
HCC治療部周囲に脈管がある6例を除く34例で検討を行ったところバブル崩壊距離と焼灼範囲には有意な負の相関があり,バブル崩壊距離が深くなるに従い,有意にRFA焼灼横径は狭くなった(P<0.0001).RFA治療時の周囲脈管による焼灼範囲の違いを検討したところHCC治療部周囲に脈管がある症例は脈管がない症例に比べ,RFA焼灼範囲は有意に狭かった(P<0.05).またHCCのvascularityによる焼灼範囲の違いを検討したところ多血性HCCと乏血性HCCの2群間に有意差は認められなかった(P=0.59).
【考察】
肝表面からのバブル崩壊距離と焼灼範囲には有意な負の相関があり,バブル崩壊距離を測定することでRFA焼灼範囲を事前にある程度予想でき,治療に適切な電極針を選択できるため有用と思われた.