李 泰治, 原 正彦, 西野 雅巳, 谷池 正行, 牧野 信彦, 加藤 弘康, 習田 龍, 田内 潤, 山田 義夫

Yasuharu LEE, Masahiko HARA, Masami NISHINO, Masayuki TANIIKE, Nobuhiko MAKINO, Hiroyasu KATO, Ryu SHUTTA, Jun TANOUCHI, YAMADA Yoshio

大阪労災病院循環器内科

Division of Cardiology, Osaka Rosai Hospital

キーワード :

【背景】
右室心尖部（RVA）ペーシングに比べ右室流出路（RVOT）ペーシングがより生理的であるという報告がある．
【目的】
2D Speckle Tracking Imaging（STI）を用いて右室ペーシング部位が左室のねじれ運動に及ぼす影響に関して比較検討する．
【方法】
対象は完全房室ブロックでDDDペースメーカーを植え込み，その後心エコー検査を施行した23症例．リードの留置部位によりRVA群（12名）とRVOT群（11名）に分類し，QRS間隔，左室駆出率，組織ドプラによる心室中隔と側壁の収縮のピークのずれ（intraventricular delay）に加えて，STIによるLV torsion，ねじれのピークの時間差（Rotational dyssynchrony）を比較した．心筋のねじれ運動は心基部及び心尖部レベルの短軸像をSecond Harmonic画像で記録しその差によって求めた．また，心尖部から見て反時計回転のねじれをプラス，時計回転をマイナスで表した．
【結果】
表の如くRVA群の方がRVOT群に比べ心筋のねじれ運動に時間差を生じ，Rotational dyssynchronyを生じていた．
【結語】
心筋のねじれ運動に関してはRVOT群がRVA群に比しより生理的であると考えられた．