英文誌(2004-)
一般口演
循環器:新手法2
(S358)
冠攣縮性狭心症症例におけるpost-systolic shorteningの検討
Post-systolic Shortening was Frequently Detected in Patients with Vasospastic Angina who had Chest Pain Within Three Days: A Study by Detection of Diastolic Abnormality by Dyssynchrony Imaging
大西 俊成, 上松 正朗, 渡部 徹也, 永田 正毅
Toshinari ONISHI, Masaaki UEMATSU, Tetsuya WATANABE, Seiki NAGATA
関西労災病院循環器科
Cardiovascular Center, Kansai Rosai Hospital
キーワード :
【背景】
高度の心筋虚血によりpost-systolic shortening (PSS)が生じることが知られている.我々は,カラー組織ドプラ法(TDI)を用いてPSSを断層心エコー図上に表示する方法(Detection of Diastolic Abnormality by Dyssynchrony Imaging: DADI)を考案し,労作性狭心症症例においても安静時PSSを認めることを示してきた.本研究では冠攣縮性狭心症(VSA)症例における安静時PSSの存在をDADIを用いて検討した.
【方法】
対象は冠動脈造影(CAG)上,冠動脈に有意狭窄がなく,エルゴノビン負荷試験にて冠攣縮が証明された連続29症例.全症例に対しCAG施行前に安静時心エコー図検査を行なった.超音波診断装置は東芝社製Aplioを用い,TDIによるDisplacementのピーク時相のずれにより正常 (緑色) から遅延(赤色)までを表示させ(DADI),DADIを用いて冠動脈支配領域に一致して心筋のセグメントが赤色表示されるものを陽性とした.
【結果】
全29症例中,10症例がDADI陽性であった.そのうち,3日以内に胸痛発作を認めた13症例中9症例(69%)がDADI陽性であったのに対し,3日以上胸痛を認めなかった16症例では1症例(6%)のみDADI陽性であった.
【結論】
VSA症例において,3日以内に胸痛を有した症例では高確率に安静時PSSを認めるものの,3日以上胸痛のない症例ではほとんどPSSを認めなかった.