Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

一般口演
基礎:組織弾性(3D,新手法)

(S348)

ストレイングラフを用いたElastographyの安定性評価手法の検討

Investigation of stabilization technique of image that used Stain Graph in Elastography

飯村 隆志, 須田 昌弘, 脇 康治, 村山 直之, 三竹 毅

Takashi IIMURA, Masahiro SUDA, Kouji WAKI, Naoyuki MURAYAMA, Tsuyoshi MITAKE

株式会社日立メディコUSシステム本部開発設計部

Development Design Dept. Ultrasound Systems Division, Hitachi Medical Corporation

キーワード :

【はじめに】
Real-time Tissue Elastography(*)は,超音波を用いて組織の弾性特性を画像化する手法であり,乳線・甲状腺をはじめとした多くの診断領域で使用されている.Elastographyは,検者の手動圧迫による組織のひずみから像を構築するため,圧迫手技の検査者依存が課題とされている.また,画像の選択に検査者の主観が入るという問題もある.
【検討内容】
ひずみ平均の時間変化をグラフ化したストレイングラフ(グラフ)を表示することにより,検査者が程度を確認しながら圧迫を行えるようになったため,容易に安定したElastographyを描出することが可能となった.さらに,画像を選択する際の検査者の主観性を排除するためには,Elastographyが安定描出されている区間の選択を簡便に行うことが必要となる.本研究では,グラフの特徴量を解析することにより,Elastographyの安定性について検討を行った.
【手法】
HI VISION Preirus試作機とリニア型プローブを使用し,ファントムによる検討を行った.圧迫のストローク,速度を変化させてElastographyを描出し,グラフのデータを取得した.グラフの各周期におけるひずみの標準偏差のずれ(不安定度)を解析し,グラフの安定性を検討した.また,グラフが安定している区間のElastographyの安定性について確認した.
【結果】
一定のストローク,速度で圧迫した場合,グラフの波形の周期と振幅が安定する傾向を示し,不安定度も低い値となった.Elastographyは複数フレームにわたり安定していた.圧迫のストローク,速度が安定していない場合,グラフの波形の周期と振幅が安定せず,不安定度も高い値となった.Elastographyは安定していなかった.
【まとめ】
グラフの周期や振幅,不安定度からElastographyの安定性を評価することにより,画像選択の主観性を排除し,その再現性を更に改善することができる可能性が示唆された.
※Real-time Tissue Elastographyは(株)日立メディコの日本における登録商標です.